いよいよやってきました。
調剤報酬改定 2020
今回は、調剤報酬改定 2020の変更点や新設項目を5分で理解できるよう、わかりやすく要点のみ解説していきたいと思います。
新設項目
加算関連
吸入薬指導加算(30点/3ヶ月に1回まで)
吸入薬指導を適切におこない、医師に文書を用いて情報提供した場合に算定できます。お薬手帳による情報提供でも算定可能なところがポイントです。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
特定薬剤管理指導加算2(100点/月に1回まで)
抗がん剤が投与されている患者の服用状況・副作用の有無などを確認し、医療機関へ文書にて情報提供した場合算定できます。※算定には事前に届出が必要
服用薬剤調整支援料2(100点/3ヶ月に1回まで)
6種類以上の内服薬が処方されている患者に対して、重複投薬や副作用が確認された時、医師へ文書にて解消の提案を行った場合算定できます。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
調剤後薬剤管理指導加算(30点/月に1回まで)
インスリン又はSU剤を使用している糖尿病患者に対して、調剤後も電話等にて服用状況や副作用の有無を確認した上で、必要な薬学的指導を行い、医師に文書を用いて情報提供した場合算定できます。※地域支援体制加算の届出薬局に限り算定可
経管投薬支援料(100点/初回のみ)
胃ろう、腸ろう患者など経管投薬が行われている患者に対して、簡易懸濁法による服薬支援を行なった場合算定できます。
在宅関連
在宅患者オンライン服薬指導料(57点/薬剤師1人につき週10回まで)
在宅患者にオンライン服薬指導を行なった時に算定できます。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
在宅患者緊急訪問薬剤管理指導2(200点/月に4回まで)
今まで緊急時の在宅訪問管理指導を算定する場合は、原疾患の急変のみに限られていましたが、今回の改定で原疾患の急変以外(風邪や便秘など)でも算定できようになります。
管理指導料
薬剤服用歴管理指導料4(43点)
今回から新設された4つ目の管理料です。
オンライン服薬指導を行なった時のみ算定することができます。
変更項目
内服薬の調剤料
内服薬の調剤料を一律にしていくべきという考えのもと、再編されることになりました。1〜5日、8〜10日は改定前よりも引き上げとなりましたが、それ以外の日数は引き下げとなっています。(31日以上は除く)
薬剤服用歴管理指導料
既存の管理料は全てプラス改定となります。
しかし!
薬剤服用歴管理指導料1の算定要件が変更となるため注意が必要です。
今回の改定から全ての調剤基本料が算定対象となるため、調剤基本料1以外を算定していた薬局には実質マイナス改定となると予想されます。
わかりやすく解説!
今まで調剤基本料1以外を算定していた薬局は、必ず薬剤服用歴管理指導料2(高い点数)を算定できていましたが、今回の改定から3ヶ月以内の再来局かつお薬手帳を持参した患者を受付する場合、薬剤服用歴管理指導料1(低い点数)を算定する必要があります。
複数病院の処方箋同時受付時の調剤基本料削減
2つ以上の病院を受診し、薬局にまとめて処方箋を持ってきてもらえることはよくあることです。今までは、同時に処方箋を受付しても、病院が違えばそれぞれ調剤基本料を算定できていましたが、今回の改定から2つ目以降の処方箋の調剤基本料は×0.8倍に削減されてしまいます。
後発医薬品調剤体制加算
85%以上の体制加算3のみプラス改定となります。
後発品調剤率を上げるコツは、こちらの記事で詳しく解説しています。
地域支援体制加算
地域支援体制加算の加算点数はプラス改定となります。
算定要件に関しては、相変わらず調剤基本料1以外を算定している薬局にとっては、とても厳しい内容となっています。逆に調剤基本料1を算定している薬局にとっては、変更・追加項目があるものの、算定要件を満たすことは非常に簡単と言えるでしょう。
調剤基本料1の場合:十分な実績
【変更項目】
【追加項目】
・服薬情報提供実績12回以上/年
・研修を修了している認定薬剤師が多職種会議に1回以上出席/年
調剤基本料1以外の場合:相当の実績
【変更項目】
【追加項目】
・研修を修了している認定薬剤師が多職種会議に年5回以上出席
詳しくはこちらの記事を参照して下さい。
かかりつけ薬剤師指導料
かかりつけ薬剤師指導料は、プラス改定となります。
届出要件は追加になったものの、「等」や「努めること」と記載されているため、強制力はなく、ほとんど変更はないと言っても過言ではないでしょう。
届出要件追加項目
・パーテーション等を置いてプライバシーに配慮すること
・残薬状況及びその理由を手帳に記載し、処方医への情報提供に努めること
最後に
以上、重要な変更・新設ポイントのみ紹介させていただきました。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。
ではまた。