ヤクペディア

お薬や薬剤師の様々な疑問を解決していく百科事典ブログです

便秘薬(下剤)の違いを徹底解説!各薬剤のメリット・デメリットは?【まとめ】

f:id:huji7:20210321182641j:plain

便秘薬の違いについて一通りまとめ終わったので、まとめ記事を作成します。

それぞれの詳しい違いは、リンク先の記事を参照していただけたらと思います。 

f:id:huji7:20210321164744p:plain

便秘薬は大きく分けると4種類に分類することができます。

① 浸透圧性下剤

代表例は?

酸化マグネシウム、モビコール

特徴は?

耐性や依存性がないため、比較的長期的に使用することが可能な薬です。 (あくまでも比較的

反面、効果は比較的弱いという印象です。また、酸化マグネシウムは高マグネシウム血症のリスクがあるため、高齢者や腎機能が悪い患者には注意が必要となります。

浸透圧性下剤のPOINT!

・耐性、依存性はない

・効果は比較的弱め

・酸化マグネシウムは、高齢者や腎障害患者へ使用する際は注意

浸透圧性下剤の使い分けについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

② 刺激性下剤

代表例は?

センノシド、ラキソベロン、坐薬、浣腸

特徴は?

便秘薬の中では比較的効果が強い反面、長期的に使用することで耐性や依存性がでてしまう薬です。

刺激性下剤のPOINT!

・耐性、依存性がある

・効果は比較的強め

刺激性下剤の使い分けについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

③ 上皮機能変容薬

代表例は?

アミティーザ、リンゼス

特徴は?

浸透圧性下剤と同じように、耐性・依存性はないため、比較的長期に使用が可能です。(あくまでも比較的

デメリットとして、比較的新しい薬であるため薬価が高く、妊婦への使用は推奨されていない(特にアミティーザは妊婦に対して禁忌)のが特徴です。

上皮機能変容薬のPOINT!

・耐性、依存性はない

・薬価が高い

・妊婦への使用は推奨されていない

妊婦中に使用される便秘薬については、こちらの記事で詳しく解説しています。

④ 胆汁酸トランスポーター阻害薬

代表例は?

グーフィス

特徴は?

作用機序は大きく異なるものの、上皮機能変容薬(アミティーザ、リンゼス)と共通している点が多いのが特徴です。耐性・依存性はないものの、薬価が高く、妊婦への使用は推奨されていません。 

上皮機能変容薬と胆汁酸トランスポーター阻害薬の効果は、浸透圧性下剤と同じように比較的効果は弱めという印象です。

グーフィスのPOINT!

・耐性、依存性はない

・薬価が高い

・妊婦への使用は推奨されていない

上皮機能変容薬と胆汁酸トランスポーター阻害薬の違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

まとめ

 項目をまとめてみました。

f:id:huji7:20210321181352p:plain

それぞれの薬にメリット・デメリットがあるため、患者背景・症状により使い分けていく必要があります。

日々の業務の参考になれば幸いです。