今回のテーマは、薬剤師の転職について。
薬剤師は、とても転職が多い職業として知られています。そのため、薬剤師の転職をサポートしてもらえる会社は、とても多く存在します。
その数、なんと数十社!
一体何が違うのでしょうか?
今回は、数十社の中から厳選した登録すべき薬剤師転職サイト3社を紹介し、各社の違いや特徴を解説、さらには私の実際の転職体験談や転職サイトを選ぶコツまで解説していきます。
転職サイト① 薬キャリ
運営は、エムスリーキャリア。医師や薬剤師のキャリア支援を主に行っている東証一部上場企業です。
現状、薬剤師転職サイトの中で登録者数は業界No1なので、登録しておいて間違えはない転職サイトと言えるでしょう。
薬キャリの良いところ
①スピーディーに転職可能
薬キャリは、電話とメールのやり取りのみで転職をサポートしてくれるため、他社よりもスピーディーに転職が可能となります。
私も薬キャリを利用した経験がありますが、最初に電話で丁寧に希望条件を確認してもらい、翌日には5つほどの希望にあった求人を探してもらえました。その後も追加条件を言うたびに、スピーディーに的確な求人を探してもらえたので、とても助かりました。
一刻も早く転職したいという方や日々の業務が忙しくて、コンサルタントと直接会う時間がない人などにとっては、薬キャリは一番おすすめの転職サイトと言えるでしょう。
※上記メリットは、薬キャリ独自の募集案件に応募した場合のみなので注意が必要です。詳しくは、薬キャリの悪いところに記載しています。
② 他にはないこだわり条件で検索可能
薬キャリは、ちょうど痒いところに手が届くようなこだわり条件で求人を検索することができます。
特にママ薬剤師にお薦め、独立支援制度あり、有給休暇の取得推奨などのこだわり条件は、後述する転職サイトにはない薬キャリだけの検索条件となります。
③ 企業の口コミを閲覧可能
薬キャリに登録し、現在または過去に働いていた会社の口コミを投稿することで、企業の口コミを閲覧できるようになります。(※1件の口コミを書くことで1法人分の口コミが閲覧可能)
④ 派遣薬剤師の福利厚生は業界一
薬剤師の中には、派遣薬剤師として働くことを考えている方もいるでしょうが、薬キャリでは、派遣薬剤師の求人紹介も豊富です。
また、薬キャリを運営するエムスリーキャリアは、派遣薬剤師の福利厚生制度が業界一と言われています。健康保険や雇用保険はもちろんのこと、産休や育休、無料の健康診断(年1回)まで受けることができるという充実ぶり(エムスリーキャリアと雇用契約した場合)です。派遣薬剤師という自由な働き方にも関わらず、ここまで福利厚生がしっかりしていることは、とても魅力的と言えるでしょう。
薬キャリの悪いところ
① 多くの転職サイトと提携している
薬キャリで検索できる求人は膨大ではありますが、実は薬キャリが独自でだしている募集案件はそれほど多くはありません。
※上の写真の赤い丸を参照。他社が薬キャリに広告費を支払うことで、広告を載せてもらっている。
つまり、薬キャリに登録したのに、「担当するコンサルタントは、違う転職サイトのコンサルタント」なんてことが起こるわけです。
ちなみに薬キャリと提携している転職サイトはとても多く、20社以上も存在します!
つまり、薬キャリは転職案件のまとめサイトと言っても過言ではありません。(全ての案件が薬キャリに掲載されているわけではなく、各転職会社のサイトのみで公開している求人もある)
多くのサイトと提携していることで、悪い点としては、コンサルタントの質にばらつきがある可能性があります。
一概に薬キャリ以外のコンサルタントが悪いというわけではありませんが、求人に応募する際は、どこの転職サイトがだしている求人なのか一応確認してから応募しましょう。
また、薬キャリの良いところであるスピーディーさを活かしたいのであれば、薬キャリが独自でだしている募集案件に応募する必要があります。
② コンサルタントと直接面談は不可
薬キャリのコンサルタントとは、直線面談することはできません。薬キャリのコンサルタントは、あくまでも電話やメールのやり取りのみで転職をサポートしてくれるのです。
そのため、コンサルタントに会ってじっくり転職を相談したいという方には、あまりおすすめできない転職サイトかもしれません。私の体験談としても、スピーディーに転職の話が進んでいく一方、少し急かされているようにも感じてしまいました。(ただこのへんは、コンサルタントによるのかもしれません。。)
・登録者数は業界No.1
・スピーディーに転職可能
・他にはないこだわり条件で検索可能
・企業の口コミを閲覧可能
・派遣薬剤師の福利厚生は業界一
・多くの他社転職サイトと提携
→薬キャリ独自の募集案件は多くない
→注意しないと他社のコンサルが担当に
→コンサルの質にはバラツキの可能性
・薬キャリのコンサルタントと直接面談することはできない
転職サイト② マイナビ薬剤師
運営は、日本の就職・転職関連のトップ企業の1つでもあるマイナビグループ。
薬剤師の利用者満足度は、5年連続No.1ということで、マイナビ薬剤師も登録しておいて間違えはない転職サイトと言えるでしょう。
マイナビ薬剤師の良いところ
① 職場に直接訪問している部署がある
マイナビ薬剤師には、職場に直接訪問し情報収集している部署があるため、実際に働いているスタッフの声や職場環境など、職場のリアルな情報を確認することができます。(全ての職場に訪問できているわけではない)
② コンサルタントと直接面談できる
希望すればコンサルタントと面談が可能です。(電話やメールのやり取りだけでもOK)
「コンサルタントと面談なんて不要」と多くの方が考えているかもしれませんが、面談することのメリットは意外と大きいです。
まず、自分をより知ってもらうことができます。知ってもらうことで、コンサルタントがおすすめの求人を探しやすくなりますし、転職先にも推薦してもらいやすくなるでしょう。(賃金交渉の場合など)
ちなみに面談会場は全国に15箇所以上あるため、地方在住の方でも安心です。
また、忙しくて会場まで行くことができない方は、自宅近くのファミレスや喫茶店などで面談することも可能です。
私も転職の際は、自宅近くのサイゼリヤまで来てもらい面談することができたので、とても助かりました。
マイナビ薬剤師は、じっくり時間をかけて転職活動したいという方におすすめの転職サイトと言えます。
③ コンサルタントが面接に同行可能
希望すれば、転職先の面接にもコンサルタントが同行してくれます。こちらも「面接に同行なんて不要」と考えがちですが、想像以上にメリットは大きいです。
面接に同行してもらうことで、緊張もほぐれますし、自分の良さを企業側に言い忘れた場合など、コンサルタントが的確にフォローしてくれます。
④ 店舗名や企業名を最初から確認可能
マイナビ薬剤師の転職サイトで求人を検索すると、最初から企業名や薬局名を確認することができます。(他の転職サイトは、応募した後コンサルタントに確認しないと企業名や薬局名は確認できないところが多い)
これが意外と助かります。薬局名や企業名を最初から確認できることで、「ここは大手だからやめておこう」、「この会社はあまり良い評判を聞かないな」などと応募する前に自分で振り分けすることができるのです。
マイナビ薬剤師の悪いところ
① 派遣求人の紹介は不可
マイナビ薬剤師では、派遣薬剤師の求人紹介は行っていません。これはマイナビ薬剤師の大きな弱点とも言えるでしょう。
・利用者満足度は5年連続業界No1
・職場訪問している部署がある
→職場のリアルな情報を確認できる
・コンサルと面談できる(希望すれば)
・コンサルに面接同行してもらえる
・店舗名や企業名を最初から確認できる
・派遣薬剤師の求人はない
転職サイト③ ファルマスタッフ
大手調剤薬局チェーンの日本調剤グループが運営している転職サイトです。調剤薬局が運営している転職サイトということで、 一見怪しさもありますが、コンサルタントの質も高く、良い求人も多数掲載されているため、薬剤師に選ばれる転職サイトNo.1と言われています。(※日本マーケティングリサーチ機構調べ 2019年7月)
ファルマスタッフの良いところ
① コンサルタントが職場に直接訪問
マイナビ薬剤師とは少し異なり、ファルマスタッフではコンサルタントが自ら職場に訪問し、情報を収集しています。(マイナビ薬剤師は職場訪問している部署が別にある。また、ファルマスタッフも全ての職場に訪問できているわけではない)
担当のコンサルタントが実際の職場を訪問しているなら、職場の声や職場環境、さらには職場の空気感まで、細部にわたり確認ができることでしょう。
② コンサルタントと直接面談できる
マイナビ薬剤師と同じく、コンサルタントと直接面談が可能です。
しかし、1つだけ大きな違いがあります。
それは、ファルマスタッフの場合、登録後まずは面談を勧められるということです!(マイナビ薬剤師は希望しなければ面談できない)
ファルマスタッフは、1人1人の転職者とのコミュニケーションを一番大事にしている転職サイトと言っても過言ではないでしょう。ちなみに面談会場は全国12箇所にあり、面談が可能です。
③ コンサルタントが面接に同行可能
マイナビ薬剤師と同じく、ファルマスタッフも希望すればコンサルタントに面接同行してもらうことが可能です。
④ こだわり条件の選択肢数は業界一
こだわり条件の選択肢数は、業界一と言っても過言ではないでしょう。検索できる選択肢の数は、なんと48個もあります!
完全オーダーメイドで、自分好みの案件を検索することが可能となります。
⑤ 派遣薬剤師の教育システムが魅力的
薬キャリと同じく、ファルマスタッフも多くの派遣求人を取り扱っており、紹介が可能となります。
そして、ファルマスタッフの派遣薬剤師の大きな強みとして、大手調剤薬局チェーンである日本調剤の教育システムを利用することでスキルアップが可能な点が挙げられます。
派遣薬剤師として働くにも関わらず、大手調剤が培ってきたハイレベルな教育システムに触れることができるという点は、大きな利点と言えるでしょう。
また、雇用契約を結んだ場合は、薬キャリほどではありませんが福利厚生も充実しています。(以下参照)
ファルマスタッフの悪いところ
コンサルとの面談を強く勧められる
先程も記載したように、ファルマスタッフに登録すると基本的には面談を強く勧められます。そのため、とりあえずどんな求人があるのか見てみようと軽い気持ちで登録した人にとっては、少し面倒に感じてしまうかもしれません。
とはいえ、面談をしたからと言って絶対に転職しないといけないわけではありません。とりあえず面談し、今の悩みを相談することで思いがけない良い求人に出会うこともあるでしょう。
・コンサルが職場に直接訪問している
→職場の情報を細部にわたり確認できる
・コンサルと面談できる(勧められる)
・コンサルに面接同行してもらえる
・こだわり条件の選択肢数は業界一
・派遣薬剤師の教育システムが魅力的
・コンサルとの面談を強く勧められる
→軽い気持ちで登録すると少し面倒かも
求人数を徹底比較
求人数を比較すると、転職サイトにより強みは異なることがわかります。
・調剤薬局の求人はファルマスタッフ
・病院の求人は薬キャリ
・ドラッグストア求人はマイナビ薬剤師
・MRや治験など企業求人はマイナビ薬剤師
・高額年収の求人に強いのは薬キャリ
・派遣求人に強いのはファルマスタッフ
※求人数は日々変動するので、参考程度に。
より良い転職サイトを選ぶコツ
最後に、より良い転職サイトを選ぶコツを2つ紹介します。
① 転職サイトの特徴を把握する
転職サイトにはそれぞれ特徴があります。まずは、各転職サイトの特徴をしっかり見極め、自分にあったサイトに登録することが重要です。
② 複数の転職サイトに登録する
多くの方が1社の転職サイトだけ登録して転職活動を行いますが、複数のサイトを登録することをおすすめします。
理由は、以下となります。
① コンサルとの相性が合わない可能性
多くの転職サイトでは、登録すると1人の専任コンサルタントが担当してくれます。優良な転職サイトに登録すれば、基本的には有能なコンサルタントが揃っていますが、コンサルタントも1人の人間です。
どんない良い転職サイトに登録したからといっても、必ずしもコンサルタントと相性が合うとはかぎりません。そもそも1社だけの登録では、相性が良いのか悪いのかもわからないでしょう。
② 転職サイトにより公開求人が異なる
転職サイトにより、募集している求人は異なります。中には、1つのサイトだけでしか公開していない優良求人というのもあったりします。複数登録しておけば、選択肢が増えるため、より良い転職活動ができることは間違えありません。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
まとめ
今まの項目をまとめてみました。
一見同じような転職サイトでも、それぞれ特徴があり、強みも異なることがわかってもらえたと思います。
各転職サイトの特徴をしっかり見極め、自分に合った転職サイトを見つけることが、より良い転職への近道と言えるでしょう。
ではまた。