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吸入薬指導加算をわかりやすく解説!情報提供方法は、お薬手帳に記載するだけでも良いの?

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今回は、調剤報酬改定 2020から新設された吸入薬指導加算についてわかりやすく解説していきたいと思います。

中医協が公開した資料を基に作成した記事です。本改定では多少の修正がある可能性があります。

点数は?

30点 1回あたり300円の利益となります。

対象患者は?

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吸入薬の投薬が行われている喘息または慢性閉塞性肺疾患COPDの患者が対象となります。

算定要件は?

患者や家族からの求めがあり、医師の了解を得た場合

または

医療機関の求めがあり、患者の同意を得た場合

文書及び練習用吸入器等を用いて指導を行い、医療機関へ必要な情報を文書等で情報提供した場合算定できます。(患者1人に対して3ヶ月に1回算定可能)

※どちらにせよ患者と医師、双方の同意(了解)が必要となります。

具体的な算定の流れは?

患者や家族からの求めがあり、医師の了解を得た場合

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※薬剤師が問診し、患者が吸入薬の使用方法をしっかり理解しているのかを見極める必要があります。

医療機関の求めがあり患者の同意を得た場合 

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医療機関への文書の提供方法とは?

今のところ、具体的な情報提供方法は明記されていません。

中医協の資料では、医療機関に必要な情報を文書で提供と記載してあるため、「等」がどこまで含まれるのかが気になるところです。

ここでは考えられる情報提供方法をいくつか記載していきます。

① FAXで情報提供

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恐らくですがこの方法が一番多く利用されると思われます。

しかしFAXの懸念点として「大病院の場合、本当に医師まで情報提供書が届くのか?」ということ。一体誰が仕分けして医師まで情報提供書を届けるのか?他の書類に埋もれてしまい、情報提供書が届かないなんてこともありそうです。

仮に医師まで情報提供書が届いたとしても、その日来院していない患者のカルテを開き、提供書の情報を確認してもらえるのかも疑問です。

病院側と連携し、何かしらの手段でカルテにしっかり提供内容が反映される仕組みが必要だと思われます。(これが中々難しい。。)

② 郵送で情報提供

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一般的な情報提供方法ではありますが、吸入薬指導加算の利益はわずか300円です。郵送すると送料が100円ほどかかるため、あまりおすすめできる方法ではありません。

さらには、FAXと同じく情報提供書が医師まで届かないor見てもらえない可能性も考えられます。

③ 患者に情報提供書を持たせ、受診時に医師に渡してもらう

患者が情報提供書を医師に渡しさえすれば、確実に医師に見てもらえるのは良い点です。しかし、患者が情報提供書を渡し忘れor家に置き忘れの可能性があるのが難点です。

お薬手帳に評価を記載し、受診時に医師に見せてもらう

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個人的にはおすすめな方法の1つです。

③と同じく受診時に患者が医師へお薬手帳を見せさえすれば、確実に情報提供内容を医師に見てもらえます。さらには余計な文書のやり取りをする必要がなく手帳1冊で完結するのも良いところです。

しかしこの方法も渡し忘れ、さらにはお薬手帳を作っていない患者さんも少なからずいるのが難点です。

情報提供方法③と④が算定要件として認められるかは、今のところ不明です。

わかり次第、追記します。

R2/3/19追記

厚生労働省が発行している通知文によると、お薬手帳による情報提供は算定可能と記載がありました。

「文書による吸入指導の結果等に関する情報提供」とは、吸入指導の内容や患者の吸入手技の理解度等について、保険医療機関に情報提供することであり、文書の他、手帳により情報提供することでも差し支えない。

引用:診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) 別添(調剤点数表)

このことから、直接医療機関へ情報提供しなくても問題ないと考えられるため、情報提供方法③も算定要件として認められると思われます。

算定するため事前にやっておいた方が良いこと

近くのクリニックが吸入薬を処方する場合

吸入薬を処方するクリニックが近くにあるようであれば、事前に医師と相談し、処方箋の備考欄に吸入薬指導の指示を記載or吸入薬指導の依頼書などを発行してもらうようにしておくと良いでしょう。

大きい病院が吸入薬を処方する場合

大病院の医師が処方されるケースで直接の相談が難しい場合は、薬剤師会や医師会などを通して相談してみましょう。

吸入薬指導連携をすでにおこなっていた地域もある

吸入薬指導の内容を医師へ情報提供する取り組みですが、実はすでに実施していた地域もいくつかあるようです。

各地域の取り組みを参考までにご紹介しておきます。

吸入薬指導の依頼書情報提供書などのフォーマット作りの参考にもなると思われます。

群馬県薬剤師会

こちらの地区では、依頼書や情報提供書(評価表)はもちろん、独自に作成したであろう各吸入薬のわかりやすい説明文書までアップロードされています。

吸入薬の標準吸入手順

JA広島総合病院・薬剤部

こちらは、各吸入薬専用の評価表を独自に作成しています。薬剤部の方々が薬薬連携のために作成したようです。

吸入指導用 資料について|薬薬連携|薬剤部|医療支援部門|診療のご案内|JA広島総合病院

③ 佐野厚生病院・薬剤部

個人的には、吸入薬指導の依頼書と情報提供書(評価表)が一番見やすい作りになっていると感じます。こちらも薬薬連携のために作成したようです。

http://jasanoko.or.jp/images/pdf/inhalation-manual.pdf

最後に

吸入薬指導加算が新設されることは薬剤師にとってメリットではありますが、医師へしっかりと情報提供するためには、医師と事前に相談し情報提供ルートを確立させておく必要があるでしょう。 

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また、これを機に病院薬剤師と薬薬連携していくことも今後必要になってくると思われます。

ではまた。