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アミティーザ、リンゼス、グーフィスの違いは?食後・食前服用の理由も徹底解説!

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今回のテーマは、アミティーザとリンゼス、グーフィスの違いについて。

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3剤とも比較的新しい便秘薬ですが、処方制限が解除されたこともあり、処方頻度が少しずつ多くなってきている薬です。 

そこで今回は、アミティーザとリンゼス、グーフィス3剤の違いについて徹底解説していきます。

作用機序の違い

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アミティーザとリンゼスは上皮機能変容薬に分類されるのに対し、グーフィスは胆汁酸トランスポーター阻害剤に分類されます。

作用機序は非常に複雑です。(以下参照)

アミティーザとリンゼスの作用機序は大きく異なる

アミティーザとリンゼスは同じ上皮機能変容薬に分類されますが、実際の作用機序は大きく異なります。

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アミティーザの作用機序

アミティーザは、小腸粘膜にあるクロライドチャネルを活性化させる薬です。 クロライドチャネルが活性化すると、クロライドイオン(Cl−)が腸管内に移動するため、ナトリウムイオン(Na+)も腸管内に引っ張られます。Na+は水を引き込む作用があるため、腸管内の水分量が多くなり、排便が促進されます。

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リンゼスの作用機序

リンゼスは、小腸粘膜にあるグアニル酸シクラーゼC受容体を刺激する薬です。 グアニル酸シクラーゼC受容体が刺激されると、腸管内へ水分分泌が促され、排便が促進されます。

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グーフィスの作用機序は?

グーフィスは、「胆汁酸」の再吸収を阻害する薬です。

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胆汁酸は、胆汁の主成分として胆のうから十二指腸に分泌される化合物です。

分泌された胆汁酸の多くは小腸で再吸収されてしまうのですが、一部再吸収されなかった胆汁酸は大腸内で水分を分泌させたり、消化管の運動を亢進したりする働きを持ちます。

グーフィスは、この胆汁酸の再吸収に関わる胆汁酸トランスポーターを阻害することで、大腸内に流入する胆汁酸の量を増やします。増大した胆汁酸の働きにより、大腸内で水分がより多く分泌され、さらには蠕動運動が亢進し、排便が促進されます。

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用法・用量の違い

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用法は、アミティーザが1日2回食後であるのに対し、リンゼスとグーフィスは1日1回食前の服用となります。ただしリンゼスとグーフィスは1回に2錠ずつの服用が通常用量となります。

アミティーザは必ず食後?

食後の服用が推奨されています。

理由として、アミティーザの副作用である「吐き気」の頻度が食前服用よりも食後服用の方が少ないと言われています。

海外で実施した臨床試験において、主な副作用として認められた悪心は、本剤の食前投与に比べて食後投与においてその発現頻度が低下したことから、国内で実施した臨床試験は全て食後投与で実施した。引用元:アミティーザカプセル インタビューフォーム 

リンゼスとグーフィスはなぜ食前?

リンゼスとグーフィスで理由は異なります。

リンゼスが食前の理由

食後に服用すると副作用である下痢の頻度が高まると言われています。

リナクロチドを食後に投与すると、食前投与した時に比べて、反復投与による薬力学的な変化(便形状スコア、排便頻度及びいきみの重症度スコアの変化)が大きく、下痢(軟便を含む)の発現率が高いことが示さ れているため、食前に投与する。

引用元:リンゼス錠 インタビューフォーム

食事の影響を受けることで下痢の頻度が高まるというわけです。つまりは、食後2時間ほど間隔が空いていれば、寝る前の服用でも問題ないと言えるのではないでしょうか?

もし食前に飲み忘れた場合は、寝る前に服用するよう指導しても良いかもしれません。(いくら寝る前でも夕食後2時間は間隔を空ける必要があるので注意です)

グーフィスが食前の理由

作用機序の項目でも説明したように、グーフィスは胆汁酸の再吸収を抑制する薬です。つまりは、胆汁酸が多く分泌される食事の前には体内に入っている必要があるわけです。ちなみに食前、食後の血中濃度データなどは存在しません。作用機序から当然食前の方が良いという考えです。

本剤は回腸末端部で胆汁酸再吸収に関わるトランスポーター(IBAT:ileal bile acid transporter)を直接阻害し1) (血中に移行して効果を発現する薬剤ではありません)、胆汁酸の再吸収を抑制することにより2)、大腸内に流入する胆汁酸の量を増加させる作用を持つ薬剤です。

したがって、効率の良い効果発現のためには、食事の刺激により胆汁酸が十二指腸に放出される以前に本剤が投与されていることが望ましいと考えられます。引用元:グーフィス錠 Q&A

リンゼスとは真逆で食事の影響を受けて効果が高まるというわけです。つまりは、リンゼスと異なり寝る前の服用では効果が減弱してしまう可能性があると言えるでしょう。

規格・薬価の違い

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アミティーザは規格が12μと24μの2つがあるのに対し、リンゼスとグーフィスはそれぞれ1つずつの規格しか存在しません。

また、通常用量で1日あたりの金額を比較すると、アミティーザが3剤の中で一番高く、リンゼスが一番安い薬となります。

<各薬剤の通常用量>

アミティーザ:24μ×2T 1日2回服用

リンゼス:0.25mg×2T 1日1回服用

グーフィス:5mg×2T 1日1回服用

副作用の違い

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単純に添付文書の副作用データを比較すると、3剤の中でアミティーザの副作用率が一番高く、リンゼスの副作用率が一番低いというデータがでています。※あくまでも添付文書上の違いであり、直接比較したデータではないため参考にならないかもしれません!

また、アミティーザの副作用の特徴として悪心(吐き気)の副作用率も多いことがわかります。

共通していること

耐性や依存性はない

刺激性下剤とは異なり、アミティーザ・リンゼス・グーフィスの3種類は耐性や依存性がないため、比較的長期使用に向いている薬と言えます。

継続して使用するタイプ

浸透圧性下剤や刺激性下剤と異なり、アミティーザ・リンゼス・グーフィスの3剤は継続して服用して治療するタイプの薬です。(※もちろん漫然と長期服用していいわけではありません)

妊婦、授乳婦へは使用できない

アミティーザ・リンゼス・グーフィスの3剤とも妊婦・授乳婦への使用は推奨されていません。

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特にアミティーザとグーフィスは動物実験ではありますが、毒性・放射能の胎児移行が確認されているため、添付文書上でも注意喚起されています。

授乳中、リンゼスの毒性移行は確認されていませんが、使用経験がなく安全性が確立されていない状況です。

また、3剤の中でも唯一アミティーザは「妊婦への使用」が禁忌事項に含まれています。

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.腫瘍,ヘルニア等による腸閉塞が確認されている又は疑われる患者[腸閉塞を悪化させるおそれがある.]

2.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照]

引用元:アミティーザカプセル 添付文書

リンゼスとグーフィスは禁忌に含まれていないとはいえ、動物実験での毒性を考えればアミティーザと同様にリスク管理していくのが無難と言えるでしょう。

ちなみに妊婦へ使用できる便秘薬については、こちらの記事で解説しています。

まとめ

今までの項目をまとめてみました。

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3剤でそれほど大きな違いはありません。

値段と副作用を考慮すればリンゼス→グーフィス→アミティーザの順で使用(効果がなければ処方変更)していくのが良いのでは?と個人的には考えます。

ちなみに他の便秘薬の違いや使い分けはこちらの記事で解説しています。

ではまた。