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現役薬剤師が解説!3種類ある市販のロキソニンの違いは?おすすめはどれ?

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今回のテーマは、ロキソニン

今や処方箋薬以外にも、市販薬としてドラッグストアや調剤薬局で手軽に購入することができます。

そんなロキソニンですが、購入する際、こんな事を思ったことはありませんか?

どれを選べば良いかわからない!

市販のロキソニンは全部で3種類あります。(処方箋なしで購入できるロキソニン

今回は、3種類ある市販のロキソニンの違いについて徹底解説していきます。

まずは、3種類あるロキソニンを1つずつ紹介していきます。

ロキソニンS

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鎮痛成分のロキソプロフェンのみが含まれています。

ロキソニンSの利点としては、医療用のロキソニン(病院で処方される薬)と全く同じ薬という点です。

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名前がロキソニン」と「ロキソニンS」で異なるため、違う薬だと思われる方が多いですが、有効成分、添加物、効果も100%同じです。

※添加物とは、簡単に説明すると薬を形取るための物質です。添加物は薬の効果には影響しないため、仮に違っていても問題はありませんが、医療用のロキソニンと市販のロキソニンSは添加物も全く同じです。 

ロキソニンSプラス

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鎮痛成分のロキソプロフェンに加え、胃薬成分の酸化マグネシウムが配合されています。

「酸化マグネシウムが胃酸を中和し、胃の負担を軽減します。」

これがメーカー(製薬会社)のおすすめポイントです。

果たして、本当に胃薬成分が含まれていた方が良いのでしょうか?

詳しくは後述します。

ロキソニンSプレミアム

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ロキソプロフェンに加え、補助鎮痛成分として、アリルイソプロピルアセチル尿素と無水カフェイン。さらには、胃薬成分としてメタケイ酸アルミン酸マグネシウムも配合されています。

単純に考えれば、流石はプレミアム。

鎮痛効果も強く、胃にも優しい。

最高のロキソニンというイメージです。 

果たして本当にプレミアムが良い薬なのでしょうか?詳しくは後述します。

3種類のロキソニンの違い

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主要成分、用法は3剤とも全く同じで、違いは補助成分にあります。

また、他の違いとしては、プレミアムだけ1回量が2錠ずつだということです。そのため、プレミアムは12回分だと24錠入りになる(他の2つは12錠入り)ため、価格が高騰してしまうわけです。

おすすめのロキソニンは?

ずばり、 ロキソニンSをおすすめします。

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恐らく、ほとんど薬剤師がこのロキソニンSをすすめるでしょう。

一体なぜなのか?プレミアムの方が効果も強いし、胃に優しいのでは?

次の項目でプラスとプレミアムのデメリットをそれぞれ紹介していきます。

Sプラスのデメリット

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値段が高い

ロキソニンSとの値段差は数十円ほどと微々たるものです。価格.com調べ

問題は数十円とはいえ差額を払う価値がロキソニンSプラスにあるのか?ということ。

ずばり、ロキソニンSプラスに付加価値はないと私は考えます。

そもそも値段が高いのは、胃薬成分が追加で含まれているためです。

ロキソニンSプラスに配合されている胃薬成分は、酸化マグネシウム33.3mg(1回量)ですが、あまり効果は期待できないと言っても過言ではないでしょう。

酸化マグネシウムは、確かに制酸作用(胃酸を抑え、胃を守る効果)がある薬です。しかしその効果を発揮するために33.3mgでは全く足らないのです。

胃薬の効果をしっかり発揮するためには、あと10倍は多く酸化マグネシウムが含まれている必要があるでしょう。

酸化マグネシムの基準用量は(胃薬の場合)1日500mg〜1000mgですので、ロキソニンSプラスを3回(MAX用量)飲むと仮定しても33.3mg×3回=99.9mgで全く足りません。

なぜ酸化マグネシウムを多く配合しなかったのか?

酸化マグネシウムを高用量で服用すると、下痢作用(便秘改善効果)が発揮されてしまうため、多く配合できなかったと思われます。

そもそもですが、医療用の薬(処方せん薬)で酸化マグネシウムを胃薬として使うことは現在ではほとんどありません。

なぜ酸化マグネシウムが胃薬成分として選択されたのか?

少しでも胃薬成分をいれることで、付加価値をつけることができます。酸化マグネシウムは胃薬成分の中でも特に原材料が安いため、選択されたのでしょう。

Sプレミアムのデメリット

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デメリット① 2錠飲む必要あり

先程も記載したように「ロキソニンS」と「ロキソニンSプラス」は1回量が1錠ですが、プレミアムだけは1回量が2錠となっています。

2錠飲むことで主要成分であるロキソプロフェンの量は、他のロキソニンと同じになるのです。

恐らく、色々な成分を詰め込み過ぎたせいで1錠にまとめると、とても大きな錠剤になってしまうためだと思われます。

手軽さという点で考えれば2錠飲むという行為はデメリットにもなるでしょう。

デメリット② 値段が高い

プレミアムは、他の2つのロキソニンよりも高額です。

問題は、補助成分に付加価値があるのか?ということ。 

ずばり、補助成分に付加価値はないと私は考えます。

まずプレミアムに含まれる胃薬成分ですが、プラスと同じように効果はほとんど期待できないと思われます。

プレミアムに含まれる胃薬成分は、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム100mg(1回量)で、この成分にも胃薬の効果は確かにあります。

しかし、「プラス」の酸化マグネシウムと同じように、胃薬の効果をしっかり発揮するためには用量が足らないと思われます。

メタケイ酸アルミン酸マグネシウムの基準用量は(胃薬の場合)1日1500mg〜4000mgですので、プレミアムを仮に1日3回(MAX)服用しても、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムの量は、100mg×3回=300mgとなり、全く足りません。

デメリット③ 補助成分に難あり

無水カフェイン

コーヒーなどに含まれているカフェインは、眠気やだるさをとり、頭重感も軽減してくれる可能性があることから市販薬にも含まれていることが多い成分です。

ちなみにプレミアムの成分一覧には、無水カフェインと記載されていますが、カフェインから水分を抜いたものを無水カフェインというだけで効果は同じです。

メリットもあるカフェインですが、もちろんデメリットもあります。

カフェインの取り過ぎは、不眠や脱水効果、イライラ感を引き起こすこともあります。また、カフェインは依存性がある物質で逆に頭痛を引き起こす可能性もあるのです。

プレミアムに含まれるカフェイン量は1回量で50mgと少なめではありますが、やはり薬にカフェインは含まれていない方が良いと言えるでしょう。(成人のカフェイン推奨量は約400mg)

アリルイソプロピルアセチル尿素

確かに鎮痛効果があるであろうアリルイソプロピルアセチル尿素ですが、眠気を引き起こす成分でもあります。そのため、プレミアムは3つのロキソニンの中で唯一服用後、乗り物の運転が禁止されています。(製薬会社の説明文書より)

また、アリルイソプロピルアセチル尿素は、薬疹が起こる頻度も比較的高い成分であり、連用すると依存作用もあるため、逆に頭痛を引き起こす可能性もあります。

さらに、極稀ではありますが紫斑病と言う血液の病気を引き起こす可能性があることもわかっており、実は日本以外では使用されていない成分なのです。

しかし日本では、不思議なことに多くの市販薬にアリルイソプロピルアセチル尿素が含まれているのです。

市販薬を購入する際は、この成分が含まれていない薬を選んだ方が良いとも言えるでしょう。

最後に

以上のデメリットを考慮して、私が個人的におすすめする市販のロキソニンは、余計な成分が入っていないロキソニンSになります。

ちなみに、3種類のロキソニン中で一番売れている薬は、ロキソニンSプレミアムだそうです。(製薬会社に確認したところ)

恐らくですが、テレビCMやプレミアムと言う名前の広告効果が大きく影響しているのでしょう。

最後に一番重要な事を言います。

ロキソニンの連用は胃を荒らします。また、むやみに痛みを抑えることで、大きい病気に気づけないこともあります。

可能な限りロキソニンの使用は控え、購入する際は必ず薬剤師に病状を相談しましょう。

ではまた。