新型コロナウィルスが蔓延している今日このごろ。
皆さん思うでしょう。
職場や自宅を消毒したい!
しかし肝心のアルコールは入荷がほとんどない状況です。
そこで今回は、誰でも簡単に作れる消毒液「次亜塩素酸ナトリウム」の作り方について詳しく解説していきたいと思います。
次亜塩素酸ナトリウムの作り方について
用意する物
用意する物はたった3つです。
・水(水道水でOK)
・ ハイター or キッチンハイター
・ペットボトル(500ml or 1リットル)
注)ハイターとキッチンハイターは塩素系(アルカリ性)ですが、ワイドハイターは真逆の酸素系(酸性)であるため、使用できません!
※花王のハイター以外にもブリーチやキッチンブリーチなど他社製品でも作製は可能ですが、詳しい希釈方法を公式HPで紹介しているのは、花王のハイターとキッチンハイターのみです。(詳しくは後述)
作り方
作り方はとても簡単。
ペットボトルに水とハイターを入れて、振って混ぜるだけ!
どれぐらいの量を混ぜる?
混ぜるにあたりポイントは3つあります。
① 濃度は0.1%で作製すること
どれくらいの濃度で作製するのかが一番の悩みどころです。これはあくまでも個人的な意見となりますが、0.1%で作製するのが現状ベストと私は考えます。
厚生労働省が通知している一般家庭向けの注意事項には以下が記されています。
0.05%の次亜塩素酸ナトリウム(薄めた漂白剤)で拭いた後、水拭きするか、アルコールで拭きましょう。トイレや洗面所の清掃をこまめに行いましょう。清掃は、市販の家庭用洗剤を使用し、すすいだ後に、0.1%の次亜塩素酸ナトリウムを含む家庭用消毒剤を使用します。
つまり、「0.05%濃度で問題ないと思うけど、念には念を入れてたまには0.1%濃度でしっかり洗浄しておきましょう!」ということです。
また、厚生労働省が通知している医療機関向けのQ&Aでは、0.1%が有効と明記されています。
問8 感染の疑いがある患者を診察する際、医療者はどのような準備や装備が必要ですか?
手洗いなどの衛生対策を心がけてください。手などの皮膚の消毒を行う場合には、消毒用アルコール(70%)を、物の表面の消毒には次亜塩素酸ナトリウム(0.1%)が有効であることが分かっています。
引用元:新型コロナウイルスに関すQ&A
よって、総合的に考えたところ0.1%濃度あれば問題ないでしょう。
また、濃度は高ければ高い方が良いという考えは間違えです。液体のハイターは多少空気中に揮発するため、化学物質を吸い込んでしまう危険性があります。つまり、高濃度であるほど危険度合いが上昇するわけです。
中国では、ほとんど薄めていない塩素系消毒剤を換気もせずに使い続けたことにより、アレルギー性肺胞炎(化学物質を長期間吸い込んだことにより、アレルギー反応が起こり、肺に炎症が起こる)を発症した人もいるそうです。
あくまでも適正な濃度で作ることが大切です!
② 少量ずつ毎回作製すること
次亜塩素酸ナトリウムは元々分解されやすい物質であり、水で薄めるとさらに分解が早まります。そのため、使用する前にその都度作製する必要があります。個人的には、200mL程あれば相当の範囲を洗浄できると感じています。
また、「薄めてから2〜3日は大丈夫!」などという意見もありますが、根拠は何もありません。有効濃度を下回っている次亜塩素酸ナトリウムで洗浄しても何も意味がありません。
使用する前にその都度作製がベストです!
③ ハイターの購入時期を確認すること
原液のハイターも常に分解が進み、濃度は少しずつ低下してしまいます。そのため、購入後どれぐらいの期間が経っているかを確認し、ハイター内の次亜塩素酸ナトリウムの濃度を推測する必要があります。(生産時は濃度6%)
以上3点から、理想の希釈割合を考えてみました!
「4mLのような少量を量ることはできない」という方は、水の量を増やす必要がありますので、こちらの換算表を参照して下さい。
水の量を増やす場合、振って混ぜる必要もあるため、1リットルのペットボトルで作製した方が良いでしょう。
・濃度は0.1%で作製する
・使用する前にその都度作製する
・ハイターの購入時期を確認する
使用方法について
作製した次亜塩素酸ナトリウムを雑巾などにしみこませ、ドアノブや机などウィルスが付着している可能性がある物を拭いていきます。
使用上の注意点は?
注意点① 手には使用できない
絶対に手には使用できません!
皮膚に付着すると皮膚炎を起こしてしまうため、必ずゴム手袋を装着して洗浄するようにして下さい。
注意点② 換気して使用する
換気は絶対に行って下さい!
水とハイターを混ぜることで塩素ガスが発生します。場合によっては中毒症状を起こし、最悪の場合死に至る可能性もあります。
洗浄の際は、マスクも装着して行うと良いでしょう。
注意点③ 使用後は水拭きする
次亜塩素酸ナトリウムは、金属を腐食させ、色がついている物は色落ちさせてしまう可能性もあります。次亜塩素酸ナトリウムで消毒後、10分ほど経過したら必ず水拭きして拭き取りましょう。
注意点④ 噴霧はしない
噴霧することにより霧状になるため、吸い込んでしまう可能性が上がります。
そもそも次亜塩素酸ナトリウムに限らず、消毒の際に噴霧はおすすめしません。
理由は直接噴霧することでウィルスが飛散し、逆に汚染を広げてしまう可能性があるからです。
都合上、どうしても噴霧容器を使用せざるを得ない時は、雑巾やペーパーなどを近づけて噴霧し、ウィルスを拭き取るようにしましょう。
また、消毒液を噴霧するだけで洗浄されると勘違いしている方もいますが、噴霧するだけではムラができるので、完全にウィルスを除去することはできません。
拭き取ることが大事です。
注意点⑤ 酸性物質と混ぜない
消毒のついでに掃除もしようと、酸性洗剤を同時に使用でもすれば大変なことになります。
ハイターなどの塩素系洗剤とクエン酸などの酸性洗剤を混ぜると毒性のある塩素ガスが発生するため、換気状況によっては最悪死に至ります。
ハイターの容器に「まぜるな危険」と書いてあるのはそのためです。
酸性洗剤とは?
・手には使用できない
・換気すること
・使用後は水拭きすること
・噴霧はしないこと
・酸性物質と混ぜないこと
破棄方法は?
破棄方法は2つあります。
方法① 排水溝に流す
基本的には、普通に排水溝に流して破棄して問題ありません。しかし、下水道の中で酸性物質と反応し、有毒な塩素ガスが発生する可能性もあるので、破棄後は大量の水で流しておきましょう。
方法② ゴミ袋に入れて捨てる
排水溝に流すのは抵抗があるという方は、新聞紙やキッチンペーパーなどに染み込ませた後、燃えるゴミに入れて破棄しましょう。しかし、排水溝に流す際と同じく酸性物質と接触しないようポリ袋などに包んで破棄する必要があります。特に注意しないといけないのが生ゴミなどに含まれるレモンやお酢などの酸性物質です。
次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムは全くの別物
見出しの通り、次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムは全くの別物ですので注意が必要です。
どちらも消毒液として活用でき、名前も瓜二つですが、次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムは真逆の性質を持っています。
2つの消毒液の特徴を簡単に記載します。
次亜塩素酸水の特徴
・酸性の消毒液
・手指消毒が可能(濃度によっては口腔内の消毒も可能)
・自宅で作製は不可(特殊な機械や実験器具が必要となります)
次亜塩素酸ナトリウムの特徴
・アルカリ性の消毒液
・手指消毒は不可
・自宅で簡単に作製できる
・次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムは全くの別物!
最後に
一部で次亜塩素酸水は簡単に作れる!などという情報が出回っていますが、全くのデタラメです。次亜塩素酸ナトリウムと勘違いしているのでしょう。
また、逆に次亜塩素酸ナトリウムが手指消毒可能と勘違いしてしまうこともあるので怖いところです。もし次亜塩素酸ナトリウムを誤飲してしまったら、大変なことになります。
まわりで勘違いしている医療スタッフや患者さんがいたら必ず注意喚起しておきましょう!
ではまた。