ブラウンバッグ。
「聞いたことはあるけれど、詳しくはわからない」
という方も多いと思われますが、実はこのブラウンバッグ。
薬局運営においてもメリットが多い重要なバッグなのです!
今回はブラウンバッグの役割や使い方、さらにはブラウンバッグを薬局で広める運営的メリットまでわかりやすく解説していきたいと思います。
ブラウンバッグとは?
わかりやすい言葉で言い換えると、
残薬回収バッグやお薬整理バッグなどと表現するのが正しいと思われます。
簡単に役割を説明すると、患者さんに渡したブラウンバッグに薬をいれて薬局に持ってきてもらい、薬の相談や薬の整理を円滑にするための便利グッズです。
元々はアメリカ発祥。1990年代に茶色の紙袋を使用してこの取り組みを行なっていたことからブラウンバッグ運動と名付けられたそうです。
ちなみに現在、日本のブラウンバッグは茶色以外にも様々な色が使われています。と言うのも「袋が茶色である」ことに特に意味はないからです。
ブラウンバッグの使い方は?
ではブラウンバッグの具体的な使い方を説明していきます。
① 残薬を回収して薬を再利用
残薬がある場合、ブラウンバッグに入れてきてもらうことで薬を再利用(残薬調整)することができます。残薬を再利用することで患者負担を減らし、医療費の削減にもつながるでしょう。
② 不要薬、不明薬の整理
「家にあるこの薬、一体何の薬なのかわからない!」なんてことは高齢者にはよくある話しです。不明な薬は全てブラウンバッグに入れてきてもらい、薬の整理(不要な薬と必要な薬を仕分けする)を手伝いましょう。
③ 市販薬やサプリメントとの飲み合わせを確認
「市販薬やサプリメントを飲むことはあるけれど、名称を忘れてしまった。」なんてこともよくある話しです。服用中の市販薬やサプリメントはブラウンバッグに全て入れてきてもらい、定期処方薬との飲み合わせを確認したり、健康アドバイスに役立てましょう。
ブラウンバッグ運動を薬局で広める運営的メリットとは?
ブラウンバッグは薬局運営においても利用するメリットが多く存在します。
① 外来服薬支援料算定のきっかけとなる
残薬をブラウンバッグで回収し、服薬支援を行えば外来服薬支援料を算定することができます。
外来服薬支援料について詳しく知りたい方はこちらの記事を参照して下さい。
② 在宅医療契約のきっかけとなる
ブラウンバッグを利用することで、残薬状況や薬の管理状況をある程度知ることができます。その上で、訪問での薬の管理が必要だと感じた場合は在宅医療の支援を患者さんに紹介してみましょう。
③ 患者さんとのコミュニケーションツールになる
ブラウンバッグを利用することで、残薬回収や不要薬の整理、さらには飲み合わせもしっかりと確認できるようになります。濃密なやり取りを繰り返すことで、患者さんとより良好な関係を構築できるようになるでしょう。
ブラウンバッグはどこで購入できるの?
① シンリョウ(SHINRYO)
医療サポートグッズ販売会社であるシンリョウでは1枚25円〜75円ほどで販売されています。
② 地域の薬剤師会
引用元:江東区HP協同事業提案制度採択事業「ブラウンバッグ推進活動」
薬剤師会主導でブラウンバッグを作成している地域も多いです。
一度、所属している薬剤師会に電話などで確認してみましょう。
③ 薬局で自主制作
ブラウンバッグに薬局名を印字すれば、広告効果も期待できるため、自主制作している薬局も多いです。
④ 袋なら何でも良い
目的と役割が明確であれば袋の形や種類など何でも良いわけです。こだわりがなければ、コンビニなどで購入できる紙袋でも良いでしょう。
最後に
いかがでしたか?
今回の記事でブラウンバッグの役割や利便性をわかっていただけたかと思います。
ブラウンバッグは、今後の薬局運営において、なくてはならない重要ツールと言えるでしょう。
まだブラウンバック運動に取り組めていない薬局は、ポスターで患者さんに周知したり、必要そうな患者さんにはブラウンバッグを積極的に配布していきましょう。
ではまた。