こちらの漫画を知ってますでしょうか?
アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり
病院薬剤師が主人公の漫画で、現在1〜4巻まで絶賛発売中です。
そして2020年4月から春の新ドラマとして放送予定。
主演はなんと!
国民的女優の石原さとみさんであることから、今クール注目のドラマとも言えるでしょう。(しかし、コロナの影響で放送は延期になってしまいました・・)
ちなみに薬剤師が主演のドラマというのは、日本初みたいです。
もしかしたら世界初かも。
そもそもドラマに限らず、薬剤師がでてくる漫画自体がほとんどありません。
医療ドラマや医療漫画の主人公といえば、ほぼ100%の確率で医者や看護師です。
その点、薬剤師といえば脇役でさえ、ほとんど登場しません。
私、いつも思っていました。
「なぜ薬剤師がでてこない!」
「薬剤師も頑張っているのに!」
とはいえ薬剤師の仕事は、ドラマや漫画にできるほど華のある仕事でないのは事実です。。
さて、そんな過去を打開すべく登場したのが、このアンサングシンデレラです。
前置きは長くなってしまいましたが、今回は原作である漫画を1〜4巻まで読んだところ、想像以上に面白かったので、ネタバレしない程度に紹介していきたいと思います。
ざっくり内容を紹介
病院薬剤師として勤務する葵みどりが主人公(2年目の女性薬剤師)。
病院で日々起こる問題を薬剤師の目線から解決していき、時には悩み、時には医師に異議を唱え、時には頼りになる先輩に学びながら、主人公が成長していく過程を描いたリアルストーリーです。
もしかして、薬剤師っていらなくない?
という衝撃フレーズから始まるこの漫画。
このフレーズ。自分はぐさりと心の中に刺さりました。
ちょうど2年目ぐらいだったでしょうか?
私も同じことを感じたことがあるからです。
というより、誰しもが1度は薬剤師の必要性について考えたことがあるのではないでしょうか?
薬剤師の仕事といえば、医師の言われた通り薬を準備して、患者さんに渡すだけ。
ではないのです!
この漫画を読めば、薬剤師はこんな仕事をしている、薬剤師は重要な存在であるということが誰でもわかるように描かれています。
良いと感じた点
リアル!
想像以上にリアルな漫画だなと感じました。
薬剤師の立場や心情、悩みがとてもうまく描かれています。私は「こういうことある!」と何度も共感してしまいました。
主人公に感情移入してしまう
主人公の葵はすごく人間味があり、感情的で行動的なタイプ。時には失敗もありますが、熱意ある行動は読んでいて、ぐっときます。
石原さとみさんが主人公の葵を演じる予定とのことですが、まさに適役だと思います。演じているのが容易に想像できます。
勉強にもなる
薬剤師であれば誰でも知っているような知識ばかりではありますが、 おさらいにはなるでしょう。薬剤師以外の方が読めば、薬剤師はこんなこと気にしてるのか〜と思ってもらえるかもしれません。
医療問題がうまく描かれている
医師と薬剤師の関係、病院薬剤師と薬局薬剤師の関係、薬剤費問題など、現実的に薬剤師、さらには国が直面している医療問題がわかりやすく描かれています。
悪いと感じた点
悪いと感じた点も書きます!
専門用語が少し多い
一般の方が読むとあまり聞きなれない専門用語が多く登場します。まぁ全てを理解する必要はないので、難しいところはさくっと読みとばしても内容は入ってくるように描かれています。
少し盛り上がりに欠ける
医療漫画やドラマの醍醐味と言えば、やはり手術でしょう。
手術をして成功するのか、失敗するのか、ハラハラドキドキしながら見てしまうものです。薬剤師と手術は基本無縁なので、そんなシーンは一切ありません。
薬剤師の目線から描かれているリアルストーリーなので、現実が知れる一方、地味感は否めません。
漫画としては成立していますが、ドラマともなれば少し盛り上がりに欠けるような心配があります。(役者さんの好演や脚本に期待です)
どんな人におすすめ?
薬剤師には絶対おすすめ
薬剤師であれば是非1度は読んでいただきたい漫画です。
ベテラン薬剤師は初心にかえり、新人薬剤師は薬剤師の本来あるべき姿を学ぶことができると思います。
薬剤師の仕事に興味がある人
薬剤師は基本、調剤室にこもって仕事しているので、普段どんな仕事をしているのか、ほとんどの方が知らないと思います。
何度も書いたように、とにかくリアルに描かれいるので、この漫画を読んでもらい、少しでも薬剤師の仕事を知ってもらいたいと思います。
補足情報
作者について
アンサングシンデレラの作者は、荒井ママレ先生という漫画家さん。
実はこの方、薬剤師でも医療従事者でもなく、アンサングシンデレラを書く前は、薬剤師がどんな仕事をしているのかさえ、ほとんど知らなかったそうです。
縁あって、たまたまこの漫画を書くことになったそうで、監修しているのが病院薬剤師とのこと。
いくら薬剤師が監修しているとはいえ、良くここまでリアルに描くことができたなと驚愕しました。とても苦労されたと思います。
荒井先生、このような漫画を描いてくれてありがとうございます!
タイトルのアンサングシンデレラはどういう意味?
シンデレラは言わずもがな、「女性」を表す時の形容詞としてよく使われます。
問題はアンサングです。
アンサングとは、アンサングヒーロー(unsung hero)=縁の下の力持ちを意味するように、「影から支える」というような意味合いがあります。
つまりは、訳すと「影から支える女性」というタイトルになります。
影から支える存在。
それは主人公である葵みどりのことであり、薬剤師という職業そのものでもあるでしょう。結構深いタイトルですね。
最後に
薬剤師にとって医師は神様。
何があってもこの関係性は覆せないものだと、いつしか自分に言い聞かせているところがありました。
なぜそうなってしまったのか?
家族を守るため。
自分を守るため。
いや、自分が傷つかないためです。
では、アンサングシンデレラの主人公である葵が、感情的になり、行動的になる動機は一体何だったのでしょうか?
すべては患者さんのために!
そんな当たり前のことを忘れかけている自分もいたりして、初心にかえることができる、とても良い漫画と出会うことができました。
明日からまた頑張ろう。
ではまた。