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ファンギゾンシロップうがい処方のレセプト入力・調剤・投薬時の注意点まとめ

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今回のテーマは、ファンギゾンシロップの嗽(うがい)処方について。

稀なケースではありますが、いざ処方箋がきた時に慌てないためにも、しっかり理解しておく必要があるでしょう。

今回は、ファンギゾンシロップうがい処方のレセプト入力、調剤、投薬時の注意点を徹底解説していきます。

ファンギゾンシロップの嗽処方とは?

通常、ファンギゾンシロップは消化管におけるカンジダ治療のため、経口投与される薬です。しかし、適応外処方として、口腔カンジダを治療するために嗽処方されるケースが存在します。

実際の処方

処方箋の記載は、医師により異なりますが、参考までに1例挙げるとすると以下のような形で処方されます。

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嗽処方は適応外であるため、処方箋には「嗽」と記載されていないことも多いです。そのため、処方箋を見ただけでは「経口投与」なのか「嗽」なのかわからないケースも存在します。

処方箋に用法が記載されていない場合は、疑義紹介するのが通例ではありますが、患者さんに症状や使用方法(医師から嗽指示を受けていないか?など)を確認してみてもよいでしょう。

嗽処方(レセプト入力時の注意点)

何度も記載していますが、まず重要なこととして、ファンギゾンシロップの嗽処方は保険適応外(適応外処方)になります。そのため、嗽薬としてそのままレセプト入力すれば返戻にあってしまう可能性が高いでしょう。

ではどうすれば良いのでしょうか?

今回は解決策を2つ記載します。

ファンギゾンシロップ嗽処方の入力方法

解決策① 自費で渡す

全て自費で渡せば、適応外であろうと関係ありません。

ファンギゾンシロップは54.6円/mL(2020/4以降の薬価)ですので、精製水も合わせて自費で渡しても患者負担はわずかで済みます。(ちなみに精製水はメーカーにより異なるが0.11〜0.43円/mL)

解決策② 内服薬として入力する

こちらのパターンで入力する薬局が多いのではないでしょうか?

ファンギゾンシロップは元々内服薬(消化管におけるカンジダ治療)として保険適応がある薬です。そのため、内服薬としてレセプト入力をおこない、保険請求します。

例を挙げるとこんな感じです。

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※もちろん処方量は医師により異なります。

また、薄める際に使用した精製水は計量混合加算を算定できないので注意が必要です。

POINT!

・嗽処方は保険適応外であるため、自費もしくは内服で入力する必要あり。

・薄める際に使用した精製水は、計量混合加算を算定できない!

嗽処方(調剤時の注意点)

何倍に希釈するのか?

適応外の使用なので添付文書に使用方法が記載されているわけではありませんが、福岡県薬剤師会のHPを確認すると通常、50倍〜100倍に希釈して使用するようです。

もちろん希釈倍率は医師が決めることですので、処方箋に記載がない場合は疑義紹介し、確認しましょう。

口腔カンジダ症等に、ファンギゾンシロップを50~100倍希釈液とし、含嗽することがある

引用元:福岡県薬剤師会 質疑応答

希釈は精製水?滅菌精製水?

どちらの方が良いと記載されている文献は存在しませんが、ファンギゾンシロップのインタビューフォームには、滅菌精製水で希釈した場合の安定性データが載っているため、滅菌精製水が処方されるケースが多いのだと思われます。

しかし、口腔カンジダに使用することを考えれば普通の精製水でもなんら問題はないと思われます。ファンギゾンシロップの嗽処方が定期的に近くの病院で処方されるのであれば、事前に医師と相談して比較的値段の安い普通の精製水で処方してもらっても良いと思われます。

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遮光保管できるよう調剤する

ファンギゾンシロップは、光に弱い薬であるため遮光保存する必要があります。

貯法

遮光・室温保存

引用元:ファンギゾンシロップ 添付文書

そのため、遮光の外用瓶に入れて調剤する、もしくは遮光袋などを一緒に渡すのがよいと言えるでしょう。

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POINT!

・50〜100倍に希釈する。

・滅菌精製水で希釈がベストだが、普通の精製水でもよい。(推測)

・遮光保存する必要あり。

嗽処方(投薬時の注意点)

① 使用前に毎回よく振ること

ファンギゾンシロップは懸濁性であるため、精製水と混合した後も、使用前には毎回よく振る必要があります。振らずに使用すれば、しっかり効果を発揮することはできないため、投薬時には必ず伝える必要があると言えるでしょう。

懸濁剤、乳剤の分散性に対する注意

使用前に十分振盪して均等な懸濁液とすること。

引用元:ファンギゾンシロップ インタビューフォーム

③ 保存期間に注意

ファンギゾンシロップは精製水で薄めて渡すため、日の経過により安定性が失われていきます。

いつまで使用するかは、医師から指示があるケースも多いですが、基本的には1〜2週間で使いきる(インタビューフォームを参照)よう投薬時に伝えておいた方が親切と言えるでしょう。

ファンギゾンシロップ希釈液の安定性

1)室温(褐色バイアル瓶)保存は、50倍希釈液で2週間安定。100倍希釈液で1 週間安定。

引用元:ファンギゾンシロップ インタビューフォーム

④ 歯が黄色に着色することあり

ファンギゾンシロップを使用すると歯が黄色に着色することがありますが、歯を磨くことで着色を落とすことができます。投薬の際には伝えておいた方が親切と言えるでしょう。

POINT!

・使用前に毎回よく振る!

・歯が黄色に着色することもあるが、歯ブラシで除去できる。

まとめ

今までの項目をまとめてみました。

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多くの注意点が存在するため、非常に手間がかかる処方だと言えます。

ファンギゾンシロップを販売しているクリニジェン株式会社さん添付文書を改定して保険適応にはできないものでしょうか??(添付文書を改定するには多額の費用がかかるため、恐らく今後も改定はない)

以上。ファンギゾンシロップうがい処方の注意点でした。

ではまた。