今回のテーマは、ジャニーズの永瀬廉君がCMにでていることもあり、一躍話題となっている市販薬「ヒルマイルド」について。
病院で処方される医療用のヒルドイドと何が違うのか徹底解説していきます!
有効成分の違い
医療用ヒルドイドと市販のヒルマイルドは全く同じ有効成分、配合量(ヘパリン類似物質0.3%)となります。
理論上、効果に関しては同じと考えて問題ないと言えるでしょう。
剤形の違い
医療用ヒルドイドは5種類(クリーム、ローション、ソフト軟膏、ゲル、フォーム)の剤形が存在する一方、市販のヒルマイルドは2種類(クリーム、ローション)しか剤形が存在しません。
とは言っても、多く使用されているのは、やはりクリームとローションですので、特に問題はないと言えるでしょう。
ちなみにここで1つ重要なことを言います。
市販のヒルマイルドクリームは、医療用ヒルドイドクリームと剤形が異なります!
ヒルマイルドクリームと同じ剤形なのは、ヒルドイドソフト軟膏となります!
ヒルマイルドローションは、もちろんヒルドイドローションと同じです。
ちなみにヒルドイドソフト軟膏とヒルドイドクリームの違いについては、別記事で解説しています。ややこしい話しですが、興味のある方は是非!
添加物の違い
有効成分以外の添加物の違いをみていきます。(※添加物が異なることで、使用感が異なる可能性があります)
クリームタイプの添加物の違いは、ポリオキシエチレンセチルエーテルのみ。(厳密には、添加物の配合量は異なるが、配合量は記載されていないため不明)
ポリオキシエチレンセチルエーテルは、油分と水分を均等に乳化させる働きがあり、クリームの粘度調整剤としても使用されていますが、他の添加物は全て同じであるため、総じてクリームタイプの使用感に違いはほとんどないと考えられます。詳しくは、実物比較の項目 で解説します。
対して、ローションタイプは添加物に多くの違いがあります。
これだけ異なると恐らく使用感に大きな違いがでてくると思われます。詳しくは、実物比較の項目 で解説します。
値段の違い
一番気になるであろう値段の違いです。
ずばり結論から言うと、金額面だけで考えれば病院で医療用ヒルドイドを処方してもらった方がお得と言えるでしょう。
現時点で市販のヒルマイルドの値段は決して安くはありません。
以下、市販のヒルマイルドと医療用ヒルドイドの値段の違いをまとめてみました。
市販のヒルマイルドの値段
市販のヒルマイルドは、クリーム、ローションともに60g包装のみの販売となり、値段は約1600円〜1700円ほどとなります。
サイズ感としては、結構小ぶりなため、購入の際は「こんなに高いの!?」と思ってしまう方が多いと思います。
医療用のヒルドイドの値段
合計すると約4790円+薬代(再診の場合約2640円+薬代)となります。※薬局の基本料は、薬局により多少前後します
この金額が10割となり、ここから保険(3割 or 1割)が適応されます。
また、医療用ヒルドイドをお得にもらう方法も存在しますので紹介しておきます。
医療用ヒルドイドをお得にもらう方法
お得に医療用のヒルドイドをもらう方法として、2本以上多めに処方してもらうことです。先ほども少し記載したように、薬局の支払い代金は、決して薬代だけで構成されているわけではありません。薬の準備や説明の代金など、言わば薬局の基本料がプラスしてかかっているのです。
つまり、1本から2本に処方量を増やしてもらったところで、薬局の支払いが2倍になることは決してありません。基本料は1人の患者に対して1回しか算定できないため、薬は一度に多く処方してもらった方がお得になるのです。(と言っても、処方するのはもちろん医師であるため、処方量を患者から指示できるわけではありません)
値段の比較・まとめ
少ない用量では、ほとんど金額は変わらないものの、量が増えるほど医療用のヒルドイドの方が安くなります。また、医療用ヒルドイドをジェネリックに変更すると、さらに値段を下げることもできます。
そのため、値段だけでみれば、医療用ヒルドイドを処方してもらった方がお得と言えるでしょう。
実物を比較してみた
では実際に実物を比較してみます。
クリームタイプの違い
予想していたように、クリームタイプの違いは、ほとんど感じませんでした。
写真でわからないと思いますが、強いて言うなら医療用ヒルドイドであるヒルドイドソフト軟膏の方がほんの少しだけ固いかなというところです。
ローションタイプの違い
容器の問題なのか、ヒルドイドローションの方が若干空気が入りやすいものの、意外にもローションタイプも使用感に違いはほとんど感じませんでした。
この乳液タイプのローションは、医療用ヒルドイドではヒルドイドローションのみであるため、これが手軽にドラッグストアで購入できるようになるのはヒルマイルドの大きな利点と言えるでしょう。(ジェネリックに変更するとシャバシャバのローションタイプになります)
そもそもヒルマイルドは何に使える?
なんとなく保湿効果があるというのは、多くの方が知っているでしょう。
しかし、ヒルマイルドには保湿効果以外にも多くの効果があります。
ヒルマイルドの有効成分であるヘパリン類似物質には、手荒れやひび割れなどの保湿効果に加え、血流をよくする効果があるため、やけどあとの皮膚のしこりに使用したりと皮膚症状を改善するような効果があるとされています。(※筋肉痛や関節痛などの記載もありますが、実際医療用のヒルドイドがそのような目的で使用されているのは、ほとんどみたことがありません)
最後に
ヒルマイルドは、医療用ヒルドイドと使用感や効果もほとんど変わらないため、病院に行く時間がない忙しい人や時間を節約したい人にとっては有用な商品と言えるでしょう。もちろん皮膚症状に悩みのある方は、病院へ診察に行くべきなのは言うまでもありません。
ちなみにヒルマイルドシリーズを製造しているのは、国産の消毒用エタノールのトップメーカーである健栄製薬です。
「メーカーもしっかりしているなら安心!」という反面、このご時世「エタノールの製造をもっと強化して下さい!」とは思ってしまいます。。
ではまた。