今回のテーマは、スチックゼノールAとスミルスチックの違いについて。
とても似ているこの2つの薬。
どちらかの薬しか在庫がない状況で、ない方の処方がでた場合「どちらも一緒だから先生変更して!なんてこと思ったことありませんか?」
実はこの2種類、外観は似ていますが中身は意外と異なるのです!
今日はそんなお話し。
外観の違い
外観は非常に似ています。
比較するとスミルスチックの方が少し高さがあります。
使用方法の違い
スチックゼノールA
底の部分を上に押し出すことで薬がでてくる仕組みです。
薬を出し過ぎてしまった場合は、無理矢理上から押し戻す必要があります。
スミルスチック
底部分がネジ式になっており、右に回すことで薬がでて、左に回すと薬が戻る仕組みになっています。
個人的には、スチックゼノールよりもスミルスチックのが使いやすいと考えます。
適応症の違い
適応の違いの中で注目したいのが、スチックゼノールの適応に含まれる「虫さされ」です。単純な痛み止めという印象が強い薬なので、「虫さされ」にも効果があるのは意外なところです。(添付文書上は、虫さされにおける消炎・鎮痛)
スチックゼノールが「虫さされ」にも効果がある理由は、ずばり有効成分にあります。
では有効成分の違いをみていきましょう。
有効成分の違い
有効成分は、大きく異なります。
スチックゼノールは、鎮痛効果のあるサリチル酸メチル、鎮痛・鎮痒効果のあるdl-カンフル、抗炎症効果のあるグリチルレチン酸、さらには芳香成分であるl-メントールが含まれています。
つまり、スチックゼノールが「虫さされ」にも効果がある理由は、鎮痛・鎮痒効果のあるdl-カンフルが含まれているためと考えられます。また、配合されているメントールはスーとする清涼感があるため、人によって好き嫌いがわかれる部分となるでしょう。
対するスミルスチックの有効成分は、鎮痛効果のあるフェルビナクのみとなっています。フェルビナクは、スミルスチック以外にもナパゲルンローションやセルタッチなど今でも多くの処方箋薬にも含まれている成分であるため、信用性が高い成分と言えるでしょう。
有効成分の違いからそれぞれの特徴をまとめてみました。
スチックゼノールは「痒みにも効果あり」と「メントール配合の爽快感」が差別化ポイントと言えるでしょう。
値段の違い
1本あたりの値段は、スミルスチックの方が少し高くなります。ちなみに1本あたりの容量は、どちらも40gで同じ容量となります。
まとめ
今までの項目をまとめてみました。
それぞれの使い分けは、以下になります。
スチックゼノールとスミルスチックの使い分け
スチックゼノールA
・症状は、痛みを中心に痒みも少し伴う
・メントールの清涼感を好む人
スミルスチック
・においは少ない方がよい人
以上。スチックゼノールAとスミルスチックの違いでした。
違いがあるとはいえ、最小包装はどちらも10本入りなんですよね。
1本だけ調剤して、その後デッドストックになったりするのは困りますよね。。
1本包装にしてくれないかな。
ではまた。