今回のテーマは市販薬(OTC)について。
ドラッグストアに行くと、こんなことを思ったことはありませんか?
薬が多すぎて、どの薬を購入すればいいのかわからない!
そんな悩みを解決すべく、現役薬剤師が厳選した、おすすめの市販薬を紹介していきます。今回は、鼻炎薬編です。
それではいってみよう!
おすすめ① アレルビ
おすすめの理由は?
① 眠気がでにくい
多少個人差はあるものの、アレルビの有効成分であるフェキソフェナジンは、他の抗アレルギー成分と比較して眠気が少ないとされています。
そのため、アレルビの説明文書には、車の運転に関しての注意喚起は一切ありません。(眠気が全くでないわけではない)
② 有効成分はアレグラと同じ
アレルギー薬として有名な、処方箋薬のアレグラと全く同じ有効成分となります。
アレグラとアレルビは有効成分の配合量や使用回数まで同じなので、効果は全く同じと言えるでしょう。
③ 圧倒的に値段が安い
アレグラと同じ有効成分の市販薬は、アレルビの他にアレグラFXがあります。テレビCMの影響もあり、多くの方に知られている市販薬の1つです。
アレグラFXも有効成分だけでなく、配合量や使用回数までアレルビと全く同じ薬なのですが、個人的にアレグラFXはおすすめしません。
理由として、アレルビの方がアレグラFXよりも値段が安いためです。
アレルビは、アレグラFXよりも倍以上安いのです。これだけ値段差があるにも関わらず効果は全く同じなのです。
またアレルビは、病院で診察してもらい、保険で薬をだしてもらうよりも費用を安く抑えることができます。
まさにアレルビは、コストパフォーマンスNo.1の鼻炎薬と言えるでしょう。
悪い点は?
鼻づまりに対しては効果が低い
アレルビの有効成分であるフェキソフェナジンは、鼻水に対しては高い効果を示す薬ですが、鼻づまりの症状に対してはあまり効果を期待できません。
もちろんですが、アレグラFXや処方箋薬のアレグラも同じことが言えます。
・眠気は抗アレルギー薬の中で一番少ない
・コスパNo.1の鼻炎薬!
おすすめ② トレーネ鼻炎薬
おすすめの理由は?
鼻水、鼻づまりに圧倒的な効果あり
有効成分を見れば、こんな薬が市販で売られているということに、多くの薬剤師が驚愕することでしょう。
トレーネ鼻炎薬を一言で紹介するなら、効果がとても強い鼻炎薬といえます。
鼻水症状を抑えるd-クロルフェニラミンは、処方箋薬(ポララミン)でも使用されており、抗アレルギー成分の中でも最強クラスの効果を示すと言っても過言ではありません。
加えて、鼻づまり症状を改善するプソイドエフェドリンも処方箋薬(ディレグラ配合錠)で使用されている成分であり、信用性が高い成分です。
プソイドエフェドリンの含有量は、処方箋薬のディレグラよりは若干少なめです。
悪い点は?
① 副作用に注意が必要
特に注意が必要な副作用は眠気です。人によっては、とても強い眠気を引き起こすこともあります。よって、車の運転をする方などには、おすすめできない薬となります。(d-クロルフェニラミンの副作用)
また、眠気の他にも血圧を上昇させてしまうことも稀にあるため、高血圧を治療中の方なども注意が必要となります。(プソイドエフェドリンの副作用)
② 流通量が少ない
インターネット経由であれば問題なく購入できますが、全体的な流通量は少なく、ドラッグストアによっては取り寄せになってしまう場合もあるでしょう。
③ 尿閉患者は服用できない
有効成分であるd-クロルフェニラミンは、一時的に前立腺を肥大させてしまう効果もあるため、前立腺肥大で排尿に問題のある方は、基本的に服用は避ける必要があります。
④ 服用回数が多い
効果を最大限に発揮するためには、1日3回もの服用が必要な薬です。忙しくて飲み忘れることが多いという方には、使いにくい薬と言えます。
・最強クラスの抗アレルギー成分を含み、鼻水と鼻づまり両方に効果あり!
・効果が強い反面、副作用も多い!
おすすめ③ ストナリニZ(錠剤)
おすすめの理由は?
有効成分はジルテックと同じ
処方箋薬として使用されているジルテックと全く同じ成分が配合されています。
配合量や使用回数まで全く同じなので、ジルテックとストナリニZも効果が全く同じと言えるでしょう。
鼻水症状だけがつらい方に最適
ストナリニZの有効成分であるセチリジンは、トレーネ鼻炎薬に含まれるd-クロルフェニラミンには劣るものの、鼻水症状に対しては非常に強い効果を発揮します。
症状がつらいからトレーネ鼻炎薬を使いたいけれど、鼻づまりの症状はない時などにはおすすめです。
1日1回の服用で1日効果がある
1日1回飲むことで、1日中効果がでる薬です。忙しくて飲み忘れが多いという方にとっては、おすすめの薬となります。
類似薬よりも値段が安い
ストナリニZと同じ有効成分の市販薬は、他にコンタックZがあります。
コンタックと言えば、テレビCMでもよく見かけるため、多くの方が知っているであろう市販薬ですが、コンタックZはおすすめしません。
コンタックZは、ストナリニZと同じ有効成分・使用回数でありながら、値段はストナリニZよりも高いためです。
値段の差は歴然です。
コンタックの値段が高い理由は、ブランド力のようなものと思われます。
悪い点は?
鼻づまりに対しては効果が低い
ストナリニZの有効成分であるセチリジンも鼻水に対しては高い効果を示す薬一方、鼻づまりの症状に対してはあまり効果を期待できません。
ジェルタイプはおすすめしない!
ストナリニZには、錠剤タイプの他にジェルタイプが存在します。
企業側の売り込みとして、ジェルタイプは有効成分を液体化することで錠剤タイプよりも速く効果を発揮するとされています。
そのためジェルタイプは、錠剤タイプよりも少し値段が高いです。
しかし!
効果がでる速さなどのデータは一切公開されていないため、あまり信用ならない売り込みだと私は考えます。(多少は早いかもしれないが微々たるものと予想)
その根拠として、処方箋薬のアレルギー薬で有効成分が液体タイプになっている薬は1つも存在しません。本当に速く効果がでるなら、処方箋薬でも実装される薬があっても良いはずです。
以上からストナリニZを購入する場合は、値段が少しでも安い錠剤タイプをおすすめします。
・服用回数は1回で、鼻水症状に対しては効果が高い!
最後に
鼻炎薬は、処方箋薬と同じ成分の市販薬が多く販売されているため、市販薬を上手に使うことができれば、わざわざ病院へ行かなくても良いと私は考えます。
ちなみに効果や副作用については以下のようになります。(多少個人差はあり)
効果が強い順
トレーネ鼻炎薬>ストナリニZ>アレルビ
副作用が少ない順
アレルビ>ストナリニZ>トレーネ鼻炎薬
以上を踏まえ、紹介した3種類の鼻炎薬の違いをまとめてみました。
今回の記事が市販薬を購入するために少しでも参考になれば幸いです。
他の疾患のおすすめ市販薬はこちら!
最後に、一番重要なことを言います。
今や多くの市販薬はインターネットを通じて簡単に購入することができますが、
必ず服用前に使用方法をしっかり確認しましょう。
また、時間がある方は店頭で薬剤師にしっかり相談して購入するのがより良いです。もちろんですが、服用後、少しでも気になる症状がでるようであれば、すぐに薬剤師に相談することをおすすめします。
ちなみにお問い合わせページから薬の質問をいただけたら、時間があるかぎりなんでも私がお答えします。
ではまた。