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小児投薬におすすめの参考書!乳幼児・小児服薬介助ハンドブックを紹介!

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「この薬何と混ぜたら飲みやすくなる?」

小児の薬を投薬する際に、たまに聞かれるこの質問。

小児科の門前薬局で働いていたりしないかぎり、この質問に的確に返答できる薬剤師は多くないでしょう。

今回は、そんな小児薬の質問をしっかり解決できる、おすすめの参考書を紹介していきます。

おすすめの本を紹介

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乳幼児・小児服薬介助ハンドブック

子供の服薬を改善するための工夫について、日本小児総合医療施設協議会の会員施設を対象に調査を行い、情報を収集して1冊にまとめた参考書です。

日本小児総合医療施設協議会とは?

昭和43年に発足した、小児の医療・研究・教育及び社会活動などを支援する団体です。会員施設となるための要件は、小児関連病床が100床以上設置されていたり、小児医療の研究や教育が行われているなどとハードルは高く、小児の専門病院のみが会員になることができます。

会員施設の例

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日本全国の名だたる小児専門病院が会員となっています。

おすすめポイントは?

① 服薬指導ヒントが満載

記載されている薬は、なんと157種類!

メジャーな薬はもちろん、比較的処方量が少ない小児薬まで掲載されています。

特にプレドニゾロン散やクラバモックスなど、自分で服薬方法を試すのは困難な薬まで服薬指導のヒントが記載されているのは大変役立ちます。

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② 信頼できる情報

今の時代、小児薬の服薬方法はインターネットで検索すれば多くの情報を確認することができます。しかし、エビデンスレベルとしては、今いちなものが多いはずです。今回紹介する参考書は、冒頭でも記載したように日本の名だたる有名病院から情報を収集したものであり、エビデンスレベルとしてはとても高いと言えるでしょう。

③ 後発品の味やにおいが記載

小児の粉薬は、ジェネリックになると味やにおいが大きく異なる薬も存在します。そんな時のために、主要なジェネリック医薬品の味やにおいが記載されているのは、とても助かります。

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④ 拒薬の事例を紹介

「子供が薬を拒む事例が実際にあったのか?ないのか?」さらに薬によっては拒否した理由まで記載されています。こちらの情報も服薬指導をする際、とても助かります。

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⑤ サイズ感がちょうど良い

膨大な情報が記載されているにも関わらず、サイズ感は白衣のポケットにもぎりぎり入るぐらいの小さいサイズです。

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ちょっと残念なポイント

薬により情報量のばらつきあり

あくまでも、事例を収集して作成した書物であるため、薬により情報量のばらつきがあります。

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おすすめの使い方

小さいとはいえ、とても情報量の多いこの一冊。ただ読んでいるだけでは、中々頭に入ってこないでしょう。かと言って投薬中にこの本をペラペラ確認しているようなら、薬剤師としての信用性が損なわれてしまうと思います。

そこで私がおすすめするこの本の使い方としては、今現在薬局に在庫している小児薬をリスト化し、薬局オリジナルの服薬補助シートを作成するということです。

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投薬の前に都度確認することで、より良い投薬につながるでしょう。

最後に

この参考書1冊で小児の投薬が完璧とは言えませんが、1薬局に1冊あって損はない参考書と言えるのではないでしょうか?

全国こども病院の与薬・服薬説明事例にもとづく

おすすめの参考書があればまた紹介していきたいと思います。

小児用量の計算式についてはこちら!

ではまた。