こちらの商品をご存知でしょうか?
インフルブロックのどあめ
あまりにも斬新な名前から「何それ!?」と思わず手にとりたくなるこの商品。
実はこの商品、多くの芸能人から絶大な支持を得ており、一時は売り切れ続出で簡単に購入することができないほど売れていた過去もあるそうです。
なんか怪しい。。
そこで今回は、インフルブロックのど飴の効果を薬剤師の目線から徹底解説していきます。
商品説明(公式HPを参照)
インフルブロックのど飴には、ツバメの巣から採取できるシアル酸という成分が豊富に含まれているそうです。このシアル酸という成分は人間の唾液中にも少量含まれており、ウィルスや細菌が体の中へ侵入してくるのをブロックしてくれる働きがあるそうです。
なぜツバメの巣から採取?
ツバメの巣は、オスツバメの唾液から作られているそうで、シアル酸の含有量は人間の1600倍も多く含まれているらしいです。
値段は?
2700円(税込)
はっきり言って、のど飴にしては嘘みたいに高額な値段です。
中身は?
ツバメの絵が描かれたパッケージ。
1袋に30個入っています。
今回はオレンジ味を購入したので、中身はオレンジ色の飴です。この白い部分がシアル酸なのでしょうか?ちなみにブルーベリー味もあるそうです。
味は?
普通に甘くて美味しいオレンジ味です。子供でも問題なく舐めることができるでしょう。のど飴によくあるほろ苦さは一切ありません。
シアル酸はすごい(薬剤師の見解)
あまり聞き慣れないこのシアル酸ですが、本当にすごい成分なのは間違えありません。
何を隠そうこのシアル酸という成分ですが、インフルエンザの薬で知られるタミフルやリレンザ、イナビルは全てシアル酸の構造式を変換して製薬されているのです。「インフルブロック」という名前も、もしかするとこの関係から名付けられている可能性もありますね。
シアル酸はすごい(研究者の目線)
シアル酸が唾液の中に含まれていて、ウィルスをブロックする可能性があるのは本当らしいです。実際に文献もいくつか存在します。
参考までに花王が発行している研究資料を紹介しておきます。
この研究によると、結合型シアル酸という成分が唾液に多く含まれているほど、インフルエンザにかかりにくくなる可能性があるという結果がでたそうです。
気になることもあり
今まで良い事ばかり書いてきましたが、いくつか気になる点もあります。
シアル酸そのものが配合された薬は存在しない
シアル酸自体は確かにすごい成分です。シアル酸がなければ、今ある抗インフルエンザ薬は開発されなかったでしょう。
しかし、あくまでもシアル酸の構造式が変換されて製薬されたということが重要なポイントです。つまりは、単純にシアル酸を経口摂取しても、そこまで効果が期待できないとも言えるのではないでしょうか?
その証拠にシアル酸そのものが成分として配合されている薬は、世の中に1つも存在しません。
シアル酸の効果は短い?
唾液に含まれているシアル酸がウィルスや菌を防いでくれる可能性があることはわかりました。
しかしここで1つ疑問です。
飴をなめている時だけ効果があるということなのでしょうか?
この飴の効果を裏付けるためには、シアル酸の持続時間も重要な要素になってくるでしょう。
インフルブロックのど飴に効果はある?それとも詐欺?
商品自体は悪い物ではなく、詐欺ではないでしょう。
シアル酸は確かに良い成分です。それは間違えありません。
しかし、経口でシアル酸を摂取することで、本当に良い効果が期待できるかは、正直わかりません。
「1袋2700円の価値があるか?」と言われると、どうでしょうか?
ここまで見ていただいて、買うか買わないかはあなた次第です。
シアル酸の今後の展開にも注目していきたいですね。
ではまた。