ヤクペディア

お薬や薬剤師の様々な疑問を解決していく百科事典ブログです

地域支援体制加算に必要な常勤薬剤師とは?定義・換算方法を解説!

f:id:huji7:20200324004947j:plain

今回は、地域支援体制加算の算定条件に必要な常勤薬剤師の定義、さらには常勤薬剤師数の換算方法についてもわかりやすく解説していきます。 

通常、薬剤師は薬剤師変更の届出時などに常勤又は非常勤の記載が必要となってきました。

しかし、地域支援体制加算の算定条件に必要な常勤薬剤師は、通常の常勤薬剤師と定義や換算方法が全く異なるので注意が必要です。

通常の常勤薬剤師の定義があやふやな方は、まずこちらの記事をご参照下さい。

通常の常勤薬剤師の定義・換算

定義

薬局の勤務時間全てを勤務する薬剤師。

換算

全て勤務していれば薬剤師数は1人と換算。

参考:東京都福祉保健局 薬局機能情報報告書等 記入上の留意点

地域支援体制加算の算定に必要な常勤薬剤師の定義・換算

常勤薬剤師数は、地域支援体制加算の届出前3月間の勤務状況に基づき算出する。

定義

実労働時間が週32時間以上である薬剤師。

さらに、実労働時間が週32時間に満たない薬剤師は計算式より算出する。

ポイント

通常の常勤薬剤師の定義とは異なり、週32時間以上勤務している薬剤師は自動的に1人として換算されることになります。

実労働時間で換算されるため、残業時間も含まれることになります。

換算

労働時間が週32時間以上である薬剤師は1名と換算する。

さらに、労働時間が週32時間に満たない薬剤師は、以下計算式より算出し、小数点第二位を四捨五入して小数点第一位まで求める。

f:id:huji7:20200322225245p:plain参考:特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて

ポイント

端数を切り捨てるのではなく、小数点まで細かく計算していく必要があります。

地域支援体制加算の算定に必要な常勤薬剤師数換算の例題

常勤薬剤師数を換算するための例題を2つ載せておきます。

例題①

1週間の薬局で定める薬剤師の勤務時間40時間の薬局について、薬剤師Aは週40時間勤務、薬剤師B、C、Dは週20時間勤務を継続している場合。

薬剤師A→1名

薬剤師B、C、D→1.9名(以下計算式を参照)

20時間×13週/32時間×13週=0.625名

0.625人×3名分=1.875名(四捨五入すると1.9名)

合計:2.9名 

例題②

1週間の薬局で定める薬剤師の勤務時間30時間の薬局について、薬剤師Aは週40時間勤務、薬剤師Bは週30時間、薬剤師Cは週15時間、薬剤師Dは週20時間、薬剤師Eは週22時間勤務の場合。

薬剤師A→1名

薬剤師B→0.9名(以下計算式を参照)

30時間×13週/32時間×13週    

薬剤師C→0.5名(以下計算式を参照)

15時間×13週/32時間×13週 

薬剤師D→0.6名(以下計算式を参照)

20時間×13週/32時間×13週

薬剤師E→0.7名(以下計算式を参照)

22時間×13週/32時間×13週

合計:3.7名

最後に

いかがでしたか?

今回の記事で常勤薬剤師の定義や換算方法の違いをわかっていただけたかと思います。

地域支援体制加算に関わってくる常勤薬剤師数は、通常の常勤薬剤師数よりも多い人数となるため、調剤基本料1以外を算定している薬局が算定条件を満たすのは非常に困難と言えるでしょう。

地域支援体制加算の算定条件を詳しく確認したい方はこちら! 

ではまた。