私は薬局の運営とは別に学校薬剤師も担当させてもらっています。
薬剤師であれば誰でも1度は学校薬剤師という仕事があると聞いたことがあるでしょう。
しかし、学校薬剤師は枠が限られているため、学校薬剤師になりたいからといってすぐになれるものではありません。
また、就職サイトで募集している仕事でもないため、その詳細についてはベールに包まれていることが多いでしょう。
そこで今回は、学校薬剤師の報酬や仕事内容、さらには学校薬剤師になるための方法などについて詳しく解説していきます。
学校薬剤師の報酬相場は?
早速ですが、一番気になるであろう学校薬剤師の報酬について解説していきます。
学校薬剤師の平均報酬は、
平均16万円(年間)ほどといわれています。
平均というのはどういうことかと言うと、
学校薬剤師の報酬は、各市町村からの支払いとなるため、地域によって変動します。仕事の内容自体は基本同じですが、報酬は異なります。16万円以下の地域もあれば16万円以上の地域もあるということです。
筆者の学校薬剤師の報酬は?
ではここで筆者の学校薬剤師の報酬を公開します。
ずばり、
約40万円(年間)
直近の報酬は、422548円。(年によって多少前後します)
ありがたいことに、平均の倍以上いただいています!
先程も記載したように報酬が高いことに、理由があったり、特別なことは何もありません。自分が担当している市からの報酬が高かっただけです。
どの地域でも仕事内容は同じなので、報酬を統一すればいいのにと思います。
仕事量に報酬は見合っている?
割にあっています!
学校薬剤師として出動するのは、だいたい月に1〜2回ほど。
どんな事をしているのかについては、後述します。
慣れてくると、どの仕事も1回1時間もあれば終えることができるものばかりです。
1時間×24回で24時間の拘束時間です。(仮に月に2回出勤すると換算)
時給に換算すれば完全に割にあっているでしょう!
また、自分は他の地域の学校薬剤師より多く報酬をもらっているため、割にあって当然という意見もあるかとは思われますが、仮に報酬が今の半分であろうと、1/3であろうと私は学校薬剤師をやめるつもりはありません。(報酬なしだと流石にきついかも。。)
なぜなら、
学校薬剤師の仕事は、やり甲斐がある仕事だから!
かっこつけすぎか。(笑)
学校薬剤師の仕事とは?
では学校薬剤師がどんな仕事をしているか紹介していきます。
照度、騒音の検査(年1回)
誰もいない教室を借りて検査を行います。
「照度の検査」というのは、眩しすぎたり、暗すぎたりすると黒板が見えなかったり、生徒の視力に影響を及ぼすことがあるため光の入り具合を検査します。
「騒音の検査」というのは、教室外から聞こえる音の大きさを測定します。大きい音が入ってくる環境だと生徒が授業に集中できなくなってしまうからです。
給食室の衛生検査(年3回)
給食室に置いてある、まな板や包丁などに菌が付着していないか確認したり、衛生的な環境作り(搬入ルートの確認など)ができているかなどを検査します。
プールの水質検査(年3〜4回)
プール水の塩素濃度、汚れ具合、透明度などを検査します。
飲料水検査(年1回)
塩素濃度や色、臭いなどを検査します。
学校保健委員会に参加(年1〜3回)
学校医や校長、養護の先生、PTAなど多くの職種が集まり、今の学校の問題点を抽出し、話し合います。
勉強会に参加(年3〜4回)※任意
学校薬剤師で集まり、新しい情報は共有します。
学校環境衛生の日常点検(常に)
決まっている検査を行うだけでなく、学校に問題がないのかを常にチェックし助言をおこないます。(と言ってもこれが難しい。。)
理科室の薬品点検
実験に使用する薬品の管理状況などを確認します。
例:薬棚は施錠しているか?、薬の在庫量は適正か?、破棄方法は問題ないか?
学校薬剤師になるには?
ではどうやったら学校薬剤師になれるのか?
報酬をもらえて、やり甲斐もあるなら学校薬剤師をやってみたいと思う人も多いでしょう。
学校薬剤師は各市町村から任命されます。
ということは市町村に連絡すればよい?
と思いがちですが、それでは駄目です。
形式的に任命するのは市町村ですが、
主に学校薬剤師の活動を管轄しているのは各地域の薬剤師会です。
そしてさらに、
実際に学校薬剤師の任命を担っているのは、薬剤師会に所属するお偉いさん達であることが多いでしょう。
学校薬剤師入会の流れ
地域の薬剤師会に入会する
➡︎薬剤師会の仕事をこなしていく
➡︎会長や副会長などお偉いさんと仲良くなる
➡︎学校薬剤師になりたいことをアピールする
➡︎枠が空けば、晴れて学校薬剤師になれる!
※高齢の関係or新規開校などで枠が空きます
薬剤師が少ない地域では、なり手が少なく複数の学校を掛け持ちしている学校薬剤師もいるそうですが、
一般的には待っているだけでは学校薬剤師になることはできません!
やはり世の中、人脈が大切です。
最後に
学校薬剤師は、とてもやり甲斐があり、責任ある仕事です。
学校に必要な定期検査を行うのはもちろんのこと、学校衛生管理すべてに目を向けていく必要があります。
学校薬剤師の努力により未然に事件を防げることもあるでしょう!
ちょうど今、学校薬剤師は高齢化を迎えています。(まだまだ現役じゃ!という先生方すみません。。)
是非やってみたいという若手の薬剤師、今がチャンスかもしれませんよ!
ではまた。