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職場のマスク禁止は賛成?反対?そもそもマスクをすることで風邪予防になるの?

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今回はこちらのニュースについて、ふれていきたいと思います。

イオン、接客時のマスク着用「原則禁止」風邪の予防もできないのか...現場から悲鳴

今、話題になっているこのニュース。

実際にマスクを禁止にしている接客業は今までもあると聞いていましたが、

日本の小売業界・第1位のイオンが発表したとなれば注目せざるを得ません。

ここでいきなりですが、私個人の見解を述べさせていただきます。

マスクの「原則禁止」

私は賛成派です!(炎上しないで下さい。。)

というのも、今回のニュースがでる何年も前から

私の運営する薬局は、マスクを原則禁止にしてます!

パワハラかよ!」

「スタッフが風邪引いたら責任とれるの?」

「病気の人がいっぱいくる薬局でマスク禁止なんてあり得ない!」

色々な声が聞こえてきます。

これには私なりの考えがあるのです。

今回は、私の薬局がマスクを原則禁止にしている理由やそもそもマスクをすることで風邪予防になるのか?など批判覚悟で解説していきいたいと思います!

マスクの着用を許可している時とは?

マスクは原則禁止と冒頭で述べたように、

以下2つの状況ではマスクの着用を許可しています。

① インフルエンザの患者を対応する時

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インフルエンザは飛沫感染します。

つまり、患者さんの咳やくしゃみが直接かかることでインフルエンザに罹患する確率は高くなるでしょう。

特にイナビルという吸入薬が厄介です。

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吸入方法が少し難しいため、薬局内で吸入される方が多いこの薬。

極たまにですが、勢いよく吸い込み過ぎてしまい、むせて咳き込む患者さんもいます。この時マスクをしていなかったら大変です。

※ちなみにマスクは患者さんの見えないところで着用する必要があると考えています。患者さんの見えるところでわざわざマスクをすれば病原菌扱いされている感じがして気分を悪くされる方もいるでしょう。

② 自分が風邪を引いている時

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咳やくしゃみをして患者さんに風邪をうつしてしまうのはあり得ません。

※そもそも体調が悪いスタッフは、可能なかぎり接客業務からはずれてもらうようにしています。(スタッフが多いからこそできるわけですが。。)

なぜ原則マスクを禁止しているの?

ではここからは本題です。

なぜマスクを原則禁止にしているのか?

ずばり、

マスクを着用するだけで良い接客が出来なくなるからです!

私の薬局は、接客に力をいれています!

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接客のセミナーに参加したり、多くの接客本を読み漁り、得た情報はスタッフ間で共有しています。

接客の基本を学んでいく中で、必ずと言っていいほど登場する動作がありました!

それは

口角を上げること

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口角を上げれば、人は自然と笑顔になります。

マスクをすることは、この重要な動作を隠してしまうことになるのです。

つまり、

マスクをするだけで、完璧な良い接客は不可能になってしまうのです。

マスクを着用することは風邪予防になり得るのか?

「マスクはした方が良い!」というのが一般的な風潮になっていますが、

本当にマスクを着用することは風邪予防になるのでしょうか?

ヨシダ製薬の学術ページでとても面白い文献を見つけたのでご紹介します。

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引用元)日常的なマスク着用による感染予防効果について・Y`s Square:病院感染、院内感染対策学術情報 https://www.yoshida-pharm.com/2018/letter128/ 

つまり、

マスクの着用は、風邪やインフルエンザの予防にならない!

という衝撃的な結果が報告されています。 

しかしこの文献には続きがあります。

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引用元)日常的なマスク着用による感染予防効果について・Y`s Square:病院感染、院内感染対策学術情報 https://www.yoshida-pharm.com/2018/letter128/  

つまり、

「マスク単独」では意味ないけど、「手洗い+マスク」を組み合わせることで予防効果がある!ということ。

しかし、この結果に対して私はすごく不思議に感じています。

1+1が2になるのはわかりますが、これでは0+0が2になるということですよね?

不思議です。。

※マスク単独は意味なしなので0、手洗い単独も意味なしで0と考えると納得がいきません。

インフルエンザの感染経路とは?

ここでインフルエンザの感染経路について改めて確認しておきましょう。

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インフルエンザの感染経路は主に2つあります。

飛沫感染

咳やくしゃみをすると細かい水滴のような物がでることがあると思います。この細かい水滴を鼻や口から吸い込むことで感染することを飛沫感染といいます。

よく勘違いされがちなのですが、

インフルエンザは基本、「空気感染」しません。

「基本」と言うのは、

換気されていない密閉状態の場合、空気感染することもあるというデータがあります。

接触感染

これもよく勘違いされがちなのですが接触感染」と言うのは、

インフルエンザの患者さんに触れただけで感染する!

と言うわけではありません。

では接触感染とは?f:id:huji7:20191227234650p:plain

つまり、

手洗いが重要と言われるのはこの接触感染」があるためなのです!

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風邪やインフルエンザの対策は?(追記R1/12/29)

マスクをしないからといって、風邪やインフルエンザ対策を何もしていないわけではありません。

今回は2つ、私の薬局でおこなっている予防対策を紹介していきたいと思います。

① うがい、手洗いはこまめにおこなうよう徹底

昼食を食べる前はもちろん、風邪やインフルエンザの患者を対応した時など、

可能なかぎりこまめに「うがい」、「手洗い」をおこなうよう徹底しています。

また、「うがい」は軽視されがちと感じていますが

「うがい」も風邪の予防策になることが京都大学の研究でわかっています。

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引用元)京都大学保健管理センター 水うがいで風邪発症が4割減少

http://www.hoken.kyoto-u.ac.jp/wp-content/uploads/2015/03/gargle2007.pdf

上記のデータによると、

「水うがい群」は「うがいをしない群」よりも風邪を引く割合が低くなっているのがわかります。

注)うがいがインフルエンザの予防になるというデータは今のところありません

こちらを参照➡︎インフルエンザ(季節性)対策 | 首相官邸ホームページ

また、ヨード液(いわゆるイソジン)でうがいをすることは、実は逆効果だという衝撃結果もでています。イソジンは消毒作用のある、うがい薬です。

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イソジンが逆効果の理由としては、常在菌(病気の原因となる微生物などから守ってくれる良い菌)を破壊してしまったり、喉の細胞をイソジンが破壊してしまうことが考えられるそうです。

風邪の時よく処方されるイソジン。あれ意味ありません。

水でうがいするのが一番です!

② インフルエンザの感染経路をスタッフ間で

インフルエンザはどういう経路で感染するのかを知っておくことは重要です。感染経路を知っておけば、どのようなことに気をつければ感染が防げるのかがわかります。私の薬局では、薬剤師はもちろん医療事務にも情報を共有しています。

最後に

職場のマスク禁止は、反対される方も多いでしょう。

しかし!

逆に世の中のサービス業、接客業すべてが「マスクの着用は義務」となったらどうなるでしょう?

私は冷たい世の中になってしまうが気がします。

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現実的に私の薬局は長くこのシステムを取り入れていますが、一度もスタッフからの反対をうけたことはありませんし、スタッフが病気やインフルエンザにかかりやすいと感じたことは一度もありません。(あくまでも主観で、データをとったわけではありませんが。。)

また、友人に聞いた話ですが、同じように取り組んでいる薬局は私の薬局以外にもあるそうです。

薬局の経営は年々厳しくなってきています。(世の中の薬局、全て)

少しでも他の薬局より良いサービスを心掛けようと追い求めれば自ずと「マスクは原則禁止」になると私は考えます。

もちろん他のサービス業、接客業も同じです!(炎上しないで。。)

イオンでは「マスクの原則禁止」についてスタッフから猛烈な反対を受けていると聞きます。上層部が通達だけだし、スタッフへの説明が足りなかったのでは?と私は考えます。

皆さんはどうお考えでしょうか?

ではまた。