今日、従業員の投薬を聞いていたら、こんな会話が耳にはいってきました。
患者「コンタクトレンズをしたままこの目薬をさして大丈夫ですか?」
従業員「ハードタイプのコンタクトレンズであれば、この目薬を上から使用しても全く問題ありませんよ!」
えっ!!
とっさにかけつけて、フォローしました。
ちなみに処方内容はこちら。
・キサラタン点眼液 1本
※患者はハードコンタクトレンズを使用中
結論から言います!
ハードコンタクトレンズを装着している状態で目薬を上からさすことは、基本駄目です!
と言うのも、
一昔前までは、逆に「問題ない!」と言われていました。
私が新人の頃も先輩から「ハードレンズなら上から目薬さしても問題ないよ!」と教わりました。。
しかし情報と言うのは常に更新されていくもの。
今のハードコンタクトレンズは、基本上から目薬をさすことは駄目です!
今回はハードコンタクトレンズと目薬、防腐剤の関係についてまとめてみました!
それではいってみよう。
そもそもコンタクトレンズを装着している時は、レンズをはずしてから目薬をさした方が良いというのが一般的です。
一体なぜでしょうか?
基本的な所から解説していきます!
なぜコンタクトをはずしてから目薬をさす必要があるの?
目薬の多くには、塩化ベンザルコニウムという防腐剤が含まれています。
塩化ベンザルコニウム(benzalkonium chlorride)
俗に言う、BAK(バック)と言われるものです。
※BACという説もあります
この塩化ベンザルコニウムはコンタクトレンズに吸着しやすく、目との接触時間が長いと角膜障害を起こすことがあると言われています。
そのため一般的には、
コンタクトレンズをはずしてから目薬をさして下さいと言われているのです。
防腐剤が入っていても使えるコンタクトレンズは?
①ソフトコンタクトレンズ(1Day使い捨てタイプ)
1Dayタイプのソフトコンタクトは、その名の通り、1日で使い捨てにするため、防腐剤が吸着する前に交換できるというわけです。
②ハードコンタクトレンズ
ハードレンズは、素材的にソフトよりも防腐剤が吸着しにくいと言われています。
しかし!
そう言われていたのは昔のこと。
実は最近のハードコンタクトレンズには、
・酸素透過性タイプ(今の主流)
・非酸素透過性タイプ
の2種類があり、今の主流となっている酸素透過性タイプのハードコンタクトは、ソフトレンズと同じく防腐剤が吸着しやすい作りとなっています。
薬局で「ハードコンタクトレンズは上から目薬をさしても大丈夫ですよ〜」
なんて言っている薬剤師をよく見かけますが、
それ間違えですよ!!!
最後に
上記で2種類のコンタクトレンズは、防腐剤(BAK)が入っていても使用できると書きましたが、どちらも一般的にそう言われているだけで、
「1Dayコンタクトは問題なし!」
「ハードレンズ(非酸素透過性)は問題なし!」と記載してある文献は世の中に存在しません!
つまり!
「比較的安全には使えるよ!だけど、コンタクトをはずして使用するに越したことはないよ!」
と言うこと。
ましてや「ハードコンタクトレンズなら大丈夫!」なんてこと今後絶対言わないで下さいね。
ではまた。